全国の信金が復興後押し ネットワーク生かし、商談会や顧客ツアー企画
●トップが続々能登視察 全国の信用金庫がネットワークを生かした能登半島地震の被災地支援を続けている。北陸での消費を促そうと顧客向けのツアーや、事業者の販路を支援する商談会を計画、各地の信金トップも続々と能登に視察に入り、連携を模索する。全国に254ある信用金庫は地元の事業者らと結び付きが強いのが特徴で、被災地とそれぞれの地域をつなぐ役割を担い、復興を後押ししている。 のと共栄、興能の両信金によると、地震発生直後に全国の信金から、飲料や日用品をはじめ、支店の営業再開に不可欠だった携帯トイレ、ガソリンの携行缶など多くの物資が寄せられた。徐々に復旧が進むにつれて、再開した事業者の販路の支援などに移っているという。 興能信金には、さわやか信金(東京)、京都中央信金(京都市)、埼玉縣信金(埼玉県熊谷市)など15信金から、商談会で能登の産品を扱いたいとの問い合わせが入っている。能登復興支援部が取引先との調整を進めており、担当者は「信金のつながりで全国から能登に思いを寄せてもらい感謝している」と話した。 埼玉縣信金は、のと共栄信金などと連携し、9、10月、顧客計約600人が福井、石川を巡るツアーを14回に分けて実施する。能登の商品を販売する即売会を開き、初回となった2日は完売となる商品もあった。埼玉縣信金の担当者は「一過性の支援ではなく、北陸のファンになってもらうのが狙いだ」と語る。 豊川信金(愛知県豊川市)は、5月にイオンモール豊川で開催された「出張輪島朝市」の誘致に関わった。4日からは、金沢、富山、氷見伏木の3信金などが、朝日信金(東京)の施設で石川、富山のフェアを開催。取引先の食品や地酒、工芸品などを販売する。 8月には、佐賀県内の4信金のトップが、のと共栄信金や氷見伏木信金の案内で七尾市和倉温泉や氷見市内の被災店舗を視察した。 のと共栄信金の担当者は「全国の信金からの思いを受け、地元の信金として復興のスピードアップにつなげたい」と話した。