協力の輪広がる 長野県阿智村で「リハビリ旅行」
東京都で訪問看護やリハビリテーションを手掛けるリハビリ推進センターと長野県阿智村の阿智昼神観光局は4月25~27日の3日間、同村の昼神温泉郷で「リハビリ旅行」を実施した。センターの利用者や家族ら21人が参加し、多様な協力を得ながら花桃など村の自然を楽しんだ。 旅行を目標に設定することで、リハビリに意欲と達成感を持ってもらうことを目的とした取り組み。昼神温泉では2013年に受け入れを始め、阿智村で進むユニバーサルツーリズムの原点となっている。 今回は参加者が皆で一緒に巡れるように、初めて車いすに乗ったまま乗降できるリフトバスを利用した。県内に数台しかなく手配が難しかったが、山梨県の飯丘観光が協力したことで実現した。 26日は清内路の花桃街道(国道256)を巡った。パン屋「アントン」が協力し、同店近くに下車して周囲を散策。参加者たちはちょうど満開の花桃を見て喜び、皆で記念撮影をした。 27日は昼神温泉郷のせせらぎロードを散策し、新緑の中で歩行練習をした。宿泊した昼神温泉の旅館では介護のかふね(飯田市北方)が要望に合わせて必要な福祉用具を用意した。 初めて阿智を訪れたという男性は「見たことがない花を見ることができた。親切に世話をしてもらいこの上ない喜び」と語り、同センターの酒井由佳さんは「地域全体でリハビリ旅行の取り組みに協力してくれ、ありがたい」と感謝していた。