多彩なクリスマスを一挙に楽しめる新演出 『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2024』が開幕
“劇場で楽しむクリスマス”として2016年に日本初演を行い、渋谷の冬の風物詩となっている『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド』。2024年12月14日(土) より開幕した今回の公演は、有名テーマパークのレビューショーやアイスショー、人気アーティストのライブ演出を手がける金谷かほり、人気セットデザイナーの石原敬が参加し、演出を一新した2024年版を届ける。 【全ての写真】『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2024』より 劇場ロビーでまず目に入るのは、天井に届きそうな大きさのツリー。一気にニューヨークのクリスマスへといざなわれる。ヒカリエのキャラクターであるHikariELFのフォトスポットもあるほか、開幕前からクリスマスソングが流れており、ショーが始まる前からワクワクする非日常に入っていくことができる。さらに、会場中や休憩時間、終演後は、今年誕生した公演オリジナルキャラクター・クリス丸がロビーに登場。もこもこでキュートな白いリスのクリス丸と一緒に写真を撮ることも可能となっている。 公演は雪が降る厳かな映像でスタートした。女性シンガーの澄んだ歌声による「Pure Imagination」で劇場を包み込むと、雪の妖精のようにも見えるダンサーたちやスケーターも登場し、ロマンティックな光景が繰り広げられる。旧演出では大きな見せ場のひとつとして独立していたスケート。新演出ではシンガーとダンサー、スケーターがシームレスにステージに存在する。ダンサーたちが華やかに躍るすぐ隣でスケーターたちが華麗に舞う様子は非常に神秘的だ。シンガー、ダンサー、スケーターがそれぞれのスキルを発揮し、共にパフォーマンスを繰り広げることで、幻想的であると同時にみんなで一緒に楽しむクリスマスという雰囲気が強くなっていると感じた。 さらに、「Let It Snow」や「ジングル・ベル」、「サンタが街にやってくる」といったお馴染みのクリスマスソングが次々に披露される。聞いているだけで華やいだ気分になる楽曲に、キレのあるダンスやユーモアに満ちた振り付けが加わり、明るく楽しいクリスマスが繰り広げられる。 「ジョイフル・ジョイフル」といった力強いゴスペルに加え、シンガーがソロでじっくり聴かせる「アメイジング・グレイス」、スケーターの美しいパフォーマンスを堪能できる「O Holy Night」や「ハレルヤ」などロマンティックな気分を楽しむことができる楽曲も多数。クリスマスナンバーの連続ながら、飽きのこない構成になっている。 有名なクリスマスソングの中には繰り返し歌われるものもあるが、ポップス、ジャズ、ロック……とアレンジがされていたり、メドレーになっていたりと、常に新鮮な気持ちで楽しむことができた。 客席通路を使ったパフォーマンス、コール&レスポンスで客席を巻き込む演出、一糸乱れぬラインダンスやタップなどは今年も健在。ゲネプロでもサンタクロースの声に応えて客席から手拍子や歓声が起きたり、難易度の高いダンスを難なくこなす姿に拍手が送られたりと大いに盛り上がっていた。華やかでパワフルなショーは、言葉がわからなくても楽しめること請け合いだ。 映像やセットにより、荘厳で神秘的な光景、街全体がラッピングされているような可愛らしいビジュアル、サンタのおもちゃ工場といったファンタジーな世界、一面の雪景色、リアルなニューヨークの風景が次々に切り替わっていく様子も楽しい。 サンタとともに夜空を駆け回っている感覚になるシーンや、空高く登っていくサンタのソリを見送っているような気分になる場面も。ドラマティックなパフォーマンスと耳馴染みのある音楽のコラボレーションに童心に返ってワクワクし、様々な“クリスマス”を一度に楽しむことができるはずだ。 子供から大人まで誰もが楽しめるハッピーなクリスマスという部分はそのままに、新演出によってガラリと雰囲気を変えた『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2024』。今年初めて見る方はもちろん、過去の公演を見たことがある方も大いに楽しめるはずだ。本公演は12月25日(水) まで、東急シアターオーブにて上演される。 取材・文:吉田沙奈 photos by Maiko Miyagawa <公演情報> 『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド2024』 公演期間:2024年12月14日(土)~12月25日(水) 会場:東急シアターオーブ