【ソフトバンク】CS初戦ヒーローが2戦目以降「出番なし」 川瀬晃が語るスーパーサブの矜持
パ・リーグCSファイナルステージで、日本ハムを4勝0敗(アドバンテージ1勝含む)で退けたソフトバンク。4年ぶりの日本シリーズ進出を決めた直後、小久保監督は第1戦で飛び出したプレーをこうたたえた。 「(エースの)有原が投げている時のあのゲッツーというのは、CSの流れを呼び寄せる非常に大きなプレーだった」。同点に追いつかれた3回、なおも一死一、三塁のピンチで松本剛が放った二遊間への打球を横っ跳びで好捕し、併殺打にした川瀬晃内野手(27)はまさしく全勝突破の立役者の一人だ。 それほどのビッグプレーを見せ、打っては相手エース・伊藤から2安打をマークしたが、第2戦と第3戦はともに出場機会すらなかった。 「もちろんスタメンでいきたいし、たくさん試合にも出たい」(川瀬)。だが、声を大にしてこう続けた。 「一番は(チームが)勝ち上がること。僕がベンチに残っている方が戦いやすいのは、自分でも理解できる。最初にいく9人だけじゃ勝てない。スポットライトは当たらないけど、最後まで出番はないかもしれないけど、自分みたいな選手が必要なことは分かっているから、スーパーサブのやりがいを感じられる」 バッテリーを除く内野の全ポジションを守るが、ファイナルステージ開幕前には外野ノックを真剣に受けていた。 「何が起こるか分からないから、僕はルーティンをつくらないようにしています。練習や試合前の準備でルーティンをつくると、それをしないと不安になるでしょ。僕のような選手は、何が起きても動じないことが大事だから」 スーパーサブの矜持を説きつつ、ここぞの場面で動じない秘訣を明かした。 第2戦以降、ベンチで頭をフル回転させた川瀬は、疲労感をにじませていた。初戦のヒーローに出番が巡らず、日本シリーズ進出を決めた鷹の強さは計り知れない。
福田孝洋