縄文時代、見て触れて 浦尻貝塚縄文の丘公園が全面開園 復元画並ぶ散策路、立体絵画も 福島県南相馬市
福島県南相馬市の国指定史跡・浦尻貝塚に整備された「浦尻貝塚縄文の丘公園」は7日、全面開園した。縄文時代を紹介する復元画が並ぶ散策路や立体絵画を掲げるガイダンス棟が完成し、縄文の息吹を伝えている。 公園は国に指定された史跡全てを含む8・4ヘクタール。史跡の地形をそのまま生かし、散策路を整備した。縄文の生活が分かる復元画や説明看板、手動式のスコープが立てられている。土器、貝殻が露出した表土や見つかった貝塚を保存した屋外の展示コーナーがある。 ガイダンス棟の目玉となる立体絵画は、縄文時代の人々が狩りや漁をする様子を描いている。木材や和紙、粘土、貝殻を使い、直接触って質感を確かめられる。実際に出土した貝殻や土器の破片を手に取ることができる展示ケースもある。 7日は開園式が行われた。門馬和夫市長が「縄文時代に思いをはせ、訪れる人の憩いの場となることを願う」とあいさつし、関係者が完成を祝った。
浦尻貝塚は市内小高区の海岸近くにあり、約5700年~2800年前までに作られた貝塚を伴う集落遺跡。2006(平成18)年に国史跡の指定を受けた。市は公園の整備を2009年から進めていたが、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で一時中断。2017年から事業を再開し、昨年7月には貝塚観察館がオープンした。