能登半島地震で崩れた景勝地・見附島 「そのままの姿を」銭湯ペンキ絵師の思い
北陸放送
能登半島地震で石川・珠洲市の景勝地、見附島は大きくその姿を変えました。 「今の姿を見て感じてほしい」 【写真を見る】能登半島地震で崩れた景勝地・見附島 「そのままの姿を」銭湯ペンキ絵師の思い 被災地を思い、東京で描かれた見附島がありました。 白波が立つ中、どっしりと構えるように描かれた見附島。 富士山が見え、大海原が広がる銭湯ペンキ絵です。 この絵が描かれているのは、東京・墨田区。東京スカイツリーそばの銭湯、1949年創業の大黒湯です。 ペンキ絵師・田中みずきさん 「こちらが描かせていただいた見附島です」 銭湯ペンキ絵師の田中みずきさん。 11年前に独立し、東京都内をはじめ全国各地で銭湯の壁にさまざまなペンキ絵を描いてきました。 大黒湯のペンキ絵は、1月9日に描くことが地震の前から決まっていましたが、田中さんと大黒湯の思いは同じでした。 田中みずきさん 「インターネットで地元の新聞社が見附島の写真を掲載していて、崩れているんだけれども、朝日の光を浴びていて、崩れきらずしっかりと立っているようなとても荘厳な雰囲気があった。描かせていただきたい」 大黒湯店主・新保卓也さん 「私は新潟の出身。仲間たちに石川県出身や親戚が被災した人が多かったので何かの形でできないかという思い。絵に思いというのも伝わっているなと思った」 軍艦島と呼ばれたかつての姿からは大きく変わってしまった見附島。 田中さんはそのままの姿を描きました。 田中みずきさん 「崩れ切らずに立っている姿というのは見附島の新しい姿として、とてもこちらとしてもこれから見つめていくいい姿なのではないかなと思って描かせていただいた」 そして、見附島の横には大黒湯のマスコット「おけいぬ」とともに「加賀八幡起上り」の姿もあります。 田中みずきさん 「石川県のことを調べていて、これは金沢の工芸品。生活が安定してきて起き上がってまた毎日毎日を暮らしていってという形になっていくかと思う時に、何かひとつ縁起物が描けたらなと思って描かせていただいた」 大黒湯では、3月いっぱいまで入浴料のうち10円を被災地に寄付する取り組みを行っているほか、ロビーに募金箱を置いています。 田中みずきさん 「しばらくして石川県に行けるようになって「今の見附島を見てみよう」と思うような、銭湯のペンキ絵をお風呂に入りながらご覧になった方もちらりと思っていただけたらなと思っている」 能登の美しい自然と景色に魅せられて。 石川から遠く離れた地でも、被災地へのエールが続いています。
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