<春に駆ける’23センバツ専大松戸>第5部・選手の横顔/6止 /千葉
◇雪辱胸にミート鍛錬 永瀬滉平内野手(2年) 昨秋の大会でバッターボックスに立ったのは2回。うち1回が山梨学院(山梨)との関東大会決勝だった。 6点を追う九回2死一塁の場面で、代打を任された。「次の打者につなげる」。勢い込んで打席に立ったが、内野フライを打ち上げてしまい、最後の打者となった。 マウンドに集まって歓喜する相手選手たちの様子は、今でも目に焼き付いている。あの日の悔しさをバネに、冬場は「ミート力」の向上をテーマに掲げ、緩いボールを芯で捉える練習を繰り返した。 甲子園ではベンチスタートとなりそうだが、「代打、代走でも出番があると思う。何を任されてもしっかりやれるように準備したい」と出場機会をうかがう。 ◇強打力、代打で生かす 水谷南音内野手(1年) パワフルなスイングが持ち味の1年生。秋の大会は3試合6打数だけの出場だったが、2本の三塁打を放つなど非凡な打撃力の片りんを見せた。 神奈川県鎌倉市出身。「持丸監督の下で野球がやりたい」と思い、中学卒業と同時に地元を離れる決心をした。専大松戸には寮がないため、松戸市内にアパートを借りて父親と2人で暮らしている。 地元の野球チームに所属しながら、中学3年までは野球塾にも通い、身長や筋肉がなくても打球を遠くへ飛ばす方法を学んだ。力強い打撃はこうした積み重ねのたまものだ。 今春はレギュラーの座をつかむことはできなかったが、甲子園に向けて気持ちを切り替えている。「自分の役割は代打。チームのためにできることをしっかりやりたい」 ◇フォーム見直し万全 清水陽路投手(2年) 斜めから投げるスリークオーター気味のフォームを特徴とする左腕。床に置いたバーベルを持ち上げる「デッドリフト」では、220キロを引き上げる怪力の持ち主でもある。 秋の大会で登板機会がなかった自身の課題を「力はあるのに体をうまく使い切れていない」と分析。持ち前のパワーを最大限生かす方法を模索しようと、冬場はタオルを使ったシャドーピッチングを重ね、フォームや手首のスナップ、指先の使い方まで細かく見直した。 誰とでも話せるフレンドリーな性格。「試合に出るメンバーのためにベンチを盛り上げるのが役割」と自任しつつ、「投げたら0点で抑える」とマウンドに上がる準備はできている。=おわり