4番山川穂高中心に圧倒的打力でソフトバンクがV奪還 王貞治会長「勢いをつけてくれた」
ソフトバンクが猛打で優勝を決め、4年ぶりに覇権を奪還した。圧倒的な強さでペナントレースを駆け抜け、8度宙を舞った小久保裕紀監督は「2月のキャンプから、この日のためにチーム全員でやっていた。懸命に戦った選手たちに胴上げしていただいて、本当に最高」と勝ちどきをあげた。 【写真】優勝を果たし、孫正義オーナーと握手を交わすソフトバンク・小久保裕紀監督 4月上旬から1度も首位を譲らずに独走。チーム打率2割5分9厘、107本塁打、577得点といずれもリーグトップを誇った。 5月末に柳田悠岐が負傷して大黒柱を欠く戦いとなっても、4番山川穂高、5番近藤健介を中心にした打線は動じなかった。山川は本塁打、打点のタイトル争いで独走。近藤は優勝目前に右足首捻挫で離脱することになったが、リーグ唯一の打率3割台で初の首位打者獲得を視界に捉える活躍だった。 特に今季フリーエージェント（FA）で加入した山川はチームにとって長年の課題だった右の大砲。6月は打率1割台で本塁打ゼロと不振に陥ったが、8月以降に14本塁打と真価を発揮。不祥事をへて入団した新天地で優勝の立役者となったが「貢献したとは思っていない。それは周りが判断すること」とおごることはなかった。王貞治会長は「やっぱりホームランを打てると試合の流れを変える。チームに勢いや勇気をつけてくれた」と不動の4番を手放しでたたえた。 小久保監督は「（ゲーム差が）開いて、少し逃げ切るとか守りに入るところはあったので、9月に入ってから長くしんどく感じた」と苦しいシーズンを振り返った。「美しさ」を求め、かつて王監督（現会長）の下で自身がそうしてきたように、主力が背中で引っ張る姿を求めた。絶対的な4番、5番打者がそれを体現し、1年目の小久保ホークスに栄冠が輝いた。（大石豊佳）
