オススメ 年末年始に楽しめる劇場映画&配信作品 Part 03
年末・年始に楽しんでもらいたい劇場公開作品、動画配信サービスで観られるおすすめ作品をご紹介。 今回取りあげるのは、一癖も二癖もあるホラーとコメディ。ひとつは、双子Youtuberが撮ったコックリさん的な遊び、ひとつは、北緯38度線を超えて北と南が協力する話、どっかで聞いたことがあるけど、これまでとは全く違う映画2本。さて、あなたはどちらがお好みですか?
『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』( 公開中 ) Z世代は降霊術でハイになる! 色眼鏡をぶち壊す真摯なホラー
コックリさん、エンジェル様、呼び名は数あれど霊的なものと接触する、いわゆる降霊術に新たな1ページが刻まれた。 ホームパーティーで酒と薬をキメていた時代は今は昔、ナウなヤングは降霊術でハイになる! 主人公ミアは、母親の“事故死”以来、父親ともぎくしゃくし、家に居場所がなく孤独を感じる女子高生。それ故、誰かとの繋がりを必死に求める彼女は友人たちと、不気味な手のオブジェを握り「Talk to me」と囁く話題の降霊術を試してみることに――。 怖いことしてみたら、怪奇現象に悩まされてさあ大変!という親の顔より見たプロットだが、非常に楽しい映画だった。監督が新世代の人気双子Youtuberという一瞬色眼鏡で見たくなるようなガワだが、実に真摯なホラー作品になっている。 迫りくる怪奇現象、友人たちからも理解されず、ミアは霊との接触に救いを求めていく。孤独から救われたいがために更なる孤独へと追いやられる姿は、本作のテーマのひとつだろうか。 恐怖から逃れようとするミア、そこに母親の喪失と再起といったエッセンスも加わり、なるほどね、と安心して観ていられるのも束の間、そう一筋縄ではいかないのがこの作品。 ミアが迫りくるものにどう挑むのか(プロットからもわかるが、いやそっちじゃないだろーという方ばかりへ行くホラーの定石もしっかり押さえている)、そして打ちのめされるようなラストは是非その目でご覧いただきたい。 A24が配給するのも納得の作品。『シャイニング』や『ヘレディタリー/継承』などがお好きな方はハマること間違いなし。