車に入り込んで大ピンチ! 子猫救った連携プレー 長野県安曇野市
長野県安曇野市豊科高家の会社員・丸山匡弘さん(44)の自宅で、子供たちにかわいがられる生後3カ月の茶トラの雄の子猫。この夏、多くの人の連携プレーで命を救われた。元は野良猫で、丸山さんが運転する自動車のエンジンルーム付近に入り込み、身動きが取れなくなったところを救出。家族の一員として迎えられた。 7月下旬の午後2時ころ、同市豊科の国道147号新田交差点で停車していた丸山さん。信号機が青に変わり発進した直後、正面から猫が急に車の下に入ってきた。慌てて車を止め、同乗の妻・未紗さん(41)と確認。エンジンルーム付近から鳴き声が聞こえたのでボンネットを開けると、顔だけが見えた。何かに引っかかっている状態だった。 後続車から別の夫婦も心配そうに降りてきた。ジャッキを持ってきてくれて、救出作戦を開始。渋滞し始め、安曇野警察署にも電話すると、すぐに署員が駆け付けた。猫を救出する人、交通整理をする人―。猛暑の中、手分けをしながら試行錯誤するも難航した。 その時、たまたま通りかかった男性が車の故障かと思い「整備士です」と工具を持って現れた。慣れた様子で車の下に潜り込み、無事に猫を救出。開始から1時間。その後、ジャッキを貸してくれた夫婦は動物病院まで付き添ってくれた。総勢8人が力を合わせた。 野良猫とみられ、保健所に通報するか飼い主を探す必要があった。未紗さんは「偶然が重なり運命を感じた。大勢に助けられた命を救いたい」と、引き取ることを決めた。匡弘さんは「助けたいという思いが結集し、人の優しさに触れられた」と感謝する。 丸まった姿がホタテに似ていると「帆立」と名付けた。中学生の長女と小学生の長男とともに、人懐こい帆立の成長を見守る。
市民タイムス