廃校だけど「開校式」地域の新たな出発に 福井市殿下中学校、記念誌やイベント企画へ資金100万円募る
3月末で廃校となる福井県福井市の殿下中学校の地区住民が、記念誌発行やイベント開催に向け、福井県に特化したクラウドファンディング(CF)「ミラカナ」で3月20日まで資金を募っている。地区の歩みを振り返るとともに、新たな出発を応援してほしいと呼びかけている。CFの目標額は100万円で15日現在、48万円の支援が集まっている。 昨年7月に「殿下校思い出ツナグプロジェクト」(殿プロ)を発足させ、廃校後も未来につながる企画を練ってきた。記念誌には卒業生らから寄せられたメッセージや写真のほか、年表などを掲載する。殿プロの公式サイトで資料提供やアンケートの協力を随時受け付けている。 5月4日には同校で「絆分校 開校式」と銘打った“同窓会”を行う。校庭に人文字をつくりドローンで撮影したり、殿下公民館への改装工事が今夏から始まる中学校舎の壁や天井に、ペンキやマジックでメッセージを書き込んだりする。ネット販売のサイトも立ち上げており、殿下小中の校章をモチーフにデザインしたTシャツやパーカーなどを販売している。 事務局を務める西雲寺住職の護城一哉さん(53)は「開校式は地区の新たなスタート。皆さんに殿下での思い出を振り返ってもらい、応援いただけたら」と話している。 CFの支援金額は3千円~10万円。記念グッズのほか、地区の郷土料理「葉ずし」などを返礼品に用意している。支援は「ミラカナ」の特設ページから。
福井新聞社