豊島将之九段、1勝4敗で名人戦終了「全体的に良くない手が多かった」
将棋の第82期名人戦七番勝負第5局2日目が27日、北海道紋別市の「ホテルオホーツクパレス」で前日から指し継がれ、挑戦者・豊島将之九段は先手の藤井聡太名人=竜王、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖と合わせて八冠=に99手で敗れた。 開幕から3連敗。元名人の意地で、18、19日の第4局(大分県別府市)で対藤井の連敗を12で止めたが、その1勝のみで、5期ぶり復位の夢はオホーツクの海へと消えた。 1日目(26日)は飛車を四筋に振った。「端歩を突いて、受けられなかったら振り飛車にしようかと」。美濃囲いにし、藤井の穴熊と互角の戦いになったが、2日目は藤井が天王山に指した▲5五歩から激しくなった。徐々に自玉周辺を崩され、苦しい戦いを強いられた。「苦しいぐらいで踏みとどまれればよかったが、キツく、悪くなった。粘りがないというか…勝ち目がないのかな」と振り返った。 シリーズについては「2、3、5局と序中盤で悪くなると厳しい展開。全体的に良くない手が多かった」。ただ、リベンジの機会は他棋戦で残されている。第72期王座戦の挑戦者決定トーナメントは8強入り。3連勝で藤井に挑戦となる。「名人戦の経験を生かして今後も頑張っていきたい」と敗退を糧にする。
報知新聞社