レジェンド山本昌氏が語る開幕投手勝利の条件とは?
3・25のプロ野球、セ、パ同時開幕へカウントダウンが始まり、開幕投手も表のように全12球団で明らかにされた。昨年末に開幕指令されていた横浜DeNAの山口俊(28)が、12日のイースタンのロッテ戦で右足首を傷めて回避、井納翔一(29)に変更されたことを除き、各球団の内定していた投手は、順調に最終登板を終え開幕への準備を整えた。 最多は千葉ロッテの涌井秀章(29)の7度で、ソフトバンクの摂津正(33)の6回、オリックスの金子千尋(32)の4回と続く。初の名誉に輝いたのは4人。セでは、広島のジョンソン(31)、中日の大野雄大(27)、急遽、代役指名された横浜DeNAの井納、パでは西武の菊池雄星(24)が初の開幕マウンドを踏むことになる。 初抜擢組の中では、オープン戦の最終戦で崩れた大野が、「納得はいっていないし開幕まで修正していきたい。開幕ではミスがないようにしたい」と、口にするなど不安感を隠せない投手もいるが、一方、3年連続となる巨人の菅野智之(26)のように経験者は、「最善の準備してきたと、自分を信じて、開幕にむけてベストをつくしたい」と、自己のメンタルコントロールが、ある程度はできているようだ。 それほど開幕投手というのは特別なものなのか。 自身も4度開幕経験のある元中日のレジェンド、山本昌氏が、こう振り返る。 「僕も4回やりましたが、普段の登板よりも、数倍疲れるんです。まず、開幕を告げられた日からピリっとするし、名誉ある指名への思い入れもある。絶対に調整を合わせなければならない、という責任感から開幕への準備を進めることに大きな労力を使い、まず、そこで疲れるんです。 そして試合になると、先制点を取られたくないという責任感に、公式戦の緊張感が加わり、普段の試合の1.5倍くらいの疲労感に襲われます。マウンド上で、7回を投げたくらいに疲れているのに『え?まだ4回かよ』と思ったことが多々ありました。たとえいいピッチングをしていて球数が少なくも、そういう感覚に陥るんです。普段の143試合のうちの1試合とは、明らかに違うんです。名誉ある開幕投手に向かった労力が、おそらく疲労になって跳ね返ってきたのだろうと思います」 4回を7回に感じるほどの疲労感に襲われるという。