フィッシャーズ・シルクロード「結婚報告はハラハラだった」 大記録ずくめの2023年を振り返る
2023年1月にグループチャンネルの登録者数が800万人を突破、8月には月間再生回数が4億回に達するなど、とにかく大活躍だったフィッシャーズ。なかでもリーダー・シルクロードは、5月に人気YouTubeクリエイター・ゆんとの結婚を発表するなど、公私にわたり今年のYouTube界を大いに盛り上げた人物だ。 【写真】シルクロードの撮り下ろしカット 今回は、『YouTube Fanfest Japan 2023』への出演にあわせ、シルクロードに単独インタビューを実施。歴史的記録を打ち立てた今年の活動や結婚、来年の抱負を聞いた。 ・「アップするのは不安だった」結婚報告動画の裏側 ーー1月にグループチャンネルの登録者が800万人、4月に個人チャンネルの「ロードシルク」が100万人を突破するなど、今年は数字的なものを達成していく機会がものすごく多かったと思います。個人で100万人という大きな目標を達成した時はどのように感じましたか? シルクロード:まさか自分の趣味だけをやって、100万人に到達するとは思っていなかったですね。やりたいことばっかりやっていたら、いつの間にか100万人に達していたみたいな。あっという間というほどもちろん楽ではなかったですけど、気づいたら100万人いって喜んでいたっていう感じです。 ーー今年は本当に個人チャンネルがすごく充実していましたね。特に5月の結婚報告動画は普段のシルクロードさんと違って、そわそわしていたのが印象的でした。 シルクロード:僕、あんまり緊張しないんですけど、あの発表は両手を上げてバンザイみたいな感じじゃなくて、すごく不安というか。どういうことをいわれるんだろうとか、これからどうしていったらいいんだろうみたいな不安のなかで発表したので、前日はハラハラしていました。いろんな感情が入り乱れながら撮影していましたね。 ーーこの報告動画を撮影する前に、ゆんさんとは結構話し合いましたか? シルクロード:そうですね。話す内容はもちろん、どうやって視聴者に伝えたらいいのか、言い回しを詰めたり。でもあんまり気にしすぎてふたりが潰れちゃったら意味はないと思うので、だからこそ真実を簡潔にまとめて告げながらも、みなさんのおかげでこういう機会が、こういう動画が出来上がっているというのを伝えるべきではあるよね、というのは細かく話しました。 発表のタイミングも、ふたりの1番いいタイミングで言った方がいいと思っていたのですが、それはできたのかなと思います。 ーー発表後の周りの方の反応はいかがでした? シルクロード:1番面白かったのは、ヒカキンさんの反応です。ヒカキンさんに結婚の相手を報告した瞬間、全身に鳥肌が立っていました(笑)。僕と恋愛ってイメージがかなりかけ離れているので、クリエイターからも視聴者からも、「絶対に1番(結婚が)遅い」と言われていたんですよ。相手がゆんちゃんというのもあって、ダブルじゃなく、トリプルぐらいのパンチを受けたかのようにみんなびっくりしていましたね。嬉しかったですけど。 ・4億回再生を達成できた要因は“曲がらない一本の槍”がグループにあったから ーーこの結婚発表にはかなり衝撃を受けましたが、8月の1か月間で、再生回数が4億回という歴史的な記録をつくったことも驚きでした。いまだから話せる、4億回という目標への本音を教えていただけますか? シルクロード:「4億回いける? いけない?」じゃなくて、「いきたい」と思ったんです。みんな青ざめていましたけど、ずっと同じ目標というのもちょっと違うかなと。3億回の難しさというのは知っていたんですけど、「まあでも、ちょっと1億多くしちゃえ」みたいな感じで(笑)。やってみて無理ならまた考えればいいし、1度挑戦することの方が大事だなと思っているので、とりあえず4億回という目標を作った。 そのときにメンバーには「新しい挑戦をしつつ、4億回再生を取ろう」という話をして、目標を例年より2、3倍の目標を設定したわけですけど、不思議と自信があったんです。 ーー根拠のない自信って大事ですね。達成できた要因はなんだと思いますか? シルクロード:YouTubeは1、2年でいろんな変わり方をするんですけど、そのなかでみんなが目標に向かって頑張るという、結局そういうストレートな思いですかね。なにか少年漫画みたいなことをいっていますが、“曲がらない一本の槍”みたいなものがグループにあったから、達成できたのかなと思います。 ーーフィッシャーズさんはスタッフの方々も入れると大所帯ですが、スタッフも含めて一団となるような秘訣はあるのでしょうか? シルクロード:総勢12名になるんですが、動画を作ってくれるというのもあるので、夏が始まる前には、メンバーとスタッフ全員で円陣を組む動画を撮って、「君たちも参加しての4億回なんだよ」というのを伝えました。そういう意思疎通が大事だなと。 フィッシャーズのメンバーとは、個別にご飯に行ったり、機会を作って会話して、悩みを解消するんですけど、実はスタッフにも同じことをしているんです。スタッフはメンバーとは別にスタッフ用ハウスがあるんですけど、僕がそこに行って、最近の悩みとか、今後どうしていきたいかみたいな話を細かく聞いています。こういうことをしないと、目標がぶれてくるので、その場ですり合わせをしっかりして、8月を乗り越えました。 ーー以前、「グループYouTubeクリエイターは存続が難しい」といった動画を投稿されていましたね。同じ方向性を向くには、やはり意思疎通は欠かせないということなんですね。 シルクロード:この役割は必ずしもリーダーじゃなくてもいいと思うんですけど、誰かが一人ひとりに会いに行くっていうことをしないと、どこかで空中分解するなと思ったんです。だからメンバー同士は全員近くに住んでいますし、スタッフに関しては若干距離があっても、そこには足を運ぶようにしなきゃいけないなと思っています。それがなくなったときに、変なことをしちゃうとか、目標がぶれちゃうとか、余計なことを考えてしまうということがあると思うので、綿密なコミュニケーションが大事なのかなとは思います。 ・フィッシャーズで個人チャンネルを開設する難易度の高さ ーー今年、ンダホさんが個人チャンネルを開設されましたけど、そういった個々の活動に関しても事前にグループ内で話し合いはされるのでしょうか? シルクロード:話します。僕が個人チャンネルを始める前も、いつからやろうかという相談をメンバーにしていました。俺はやるって決めていましたけど(笑)。 みんな個人チャンネルをやりたいというのはずっと話していますけど、うちのグループはフィッシャーズの企画、撮影、編集、スケジューリング、目標の設定というのがすべてできるようになって初めて個人チャンネルを持てるという感じなんです。個人チャンネルは、フィッシャーズというグループのひとりのYouTubeクリエイターとして、一段階をクリアしたっていう証なんです。「やりたい」といったとして、うちはすぐにゴーサインは出さないです。 ーーフィッシャーズのメンバーの方々の個人チャンネルができて、しっかりと運営がされているということは、シルクロードさんから評価を受けているということなんですね。 シルクロード:メインチャンネルに支障をきたさないレベルで個人チャンネルを運営できる人じゃないと疲れるし、悩みも増えるので。場合によってはストップかけます。 ・来年の目標は素敵なパパになること ーー今年の活動のなかで印象に残っていることはなんでしょう? シルクロード:いっぱいありすぎるんだよなー(笑)。結婚もあるんですけど、頭のなかにずっとあったのが、今年はわざと人生のなかでトップレベルに忙しくしようと決めていたので、8月は本当に平均睡眠時間がいえないくらい短くて。見ている方もすごくびっくりした結婚発表をして、結婚を発表してから「YouTubeちょっとな」といわれても嫌なんで、もっと忙しくしてやろうと思ってやっていました。 そのなかでも、今年のテーマが「絶対に怒らない」だったんですよ。もちろん怒号を浴びせることはないですけど、限界ギリギリのところでも、人に当たらないようにしようということだけはテーマとしてあって、それを越えられれば怖いものはないかなと。だからこそフィッシャーズでも個人チャンネルでも数字的な記録や歴史を作れたのかなと思っています。 どちらかというと個人としていろいろと意思を固める1年でしたが、そのなかで記録がついてきたみたいな感じです。結果がよくてちょっと安心したし、自信に繋がりましたね。 ーー結果がよかったという1年間の活動に点数をつけるとしたら、何点つけますか? シルクロード:さすがにこれで30点とかいっちゃうと、メンバーが「来年怖いぞ」「急に再生数8億とか言い出すかも」とか、鳥肌が立っちゃうかもしれないので、僕的に今年はよくやれたという意味で85点ぐらいかな。残りの15点は、まだ知らないという可能性にかけて。メンバーも2023年はかなり頑張ったし、多分いっぱい悩んだと思うんです。100点満点はあげられないですけど、メンバーたちには90点くらいはあげられるかな。 今年はやれることは自分のなかでもトライできたし、失敗も成功もどっちも体験できたと思うんです。編集体制を変えたので、裏側は大変だったかもしれませんが、今年は忘れられない、本当に実りのある年だったなと思います。 ーー来年はどのようなことをやっていきたいか、抱負をお願いします。 シルクロード:YouTubeで当たり前になっていることを、安心してぶっ壊していきたいところがある。新しいものをその視点で作れたらいいなというのがありますね。今年はグループでライフスタイルブランド「Dotene(ドテネ)」の新しい商品を作ったり、個人でクラフトビールのブランド「SAKASUKI!(サカスキ)」も立ち上げたので、来年は動画外でもフィッシャーズが活躍できるようにしたいなと思います。 あと個人としては、まずは素敵なパパになることですね。ゆんちゃんと子どものことを思って子育てもして、パパとして頑張るのと、新しい挑戦もしたいと思います。 ーーそれでは最後に、今年1年、応援してくださったファンの方に一言お願いします。 シルクロード:相当いろんなことをやったので、追いかけるのが大変だったと思います。2024年は「それあったな」「懐かしいな」というのを全面に押す企画もあるので、楽しみにしていただけたらなと思います。
せきぐちゆみ