やっぱり熱い! けど最近減ってない? ロボットアニメの「主役機交代」今昔
実は近年の作品で「主役機交代」は珍しい…なぜ?
最後に、最近のロボットアニメにおける主役機交代を振り返ってみます。 しかし近年では意外とこの定番展開が珍しいようで、2024年作品でやたらとパワーアップをした印象がある『勇気爆発バーンブレイバーン』や『大槌超神楽ダイハンマー』も、どちらもいわゆる「グレート合体」(主役機が別のメカと合体することの通称)などをしただけで、乗り換えまではされませんでした。そもそも「ブレイバーン」自体が重要キャラクターであり、「ダイハンマー」は1話分しか尺がないから仕方ないのでしょう。 『グレンダイザーU』は「マジンガーZ」のパワーアップこそあったものの、主役機たる「グレンダイザー」に交代劇はありませんでした。 となるとやはり「ガンダム」シリーズの独壇場となり、先述した『機動戦士ガンダム 水星の魔女』で、実はシリーズとしてかなり久々の主役機交代でした。また『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』における「マイティーストライクフリーダムガンダム」登場時の鮮烈さや、「インフィニットジャスティスガンダム弐式」の衝撃は、2024年のロボットアニメにおけるハイライトのひとつです。 このように近年は残念ながら主役機交代は減少傾向、あるいはこれまでと違った形で行われることが多いようです。最近は1作品あたりの放送期間が短く、新主役機をドラマティックに登場させる尺が確保できないため、主人公機をパワーアップで済ませているのかもしれません。 とはいえやはり主役機交代は熱いもの。特にTVシリーズではそれが目新しくなった今だからこそ、目の覚めるような主役機交代劇に期待したいところです。
はるのおと