米地区連銀総裁3人、インフレ鈍化傾向の持続を確信-CPI統計受け
(ブルームバーグ): 米地区連銀総裁3人は15日、昨年12月の消費者物価指数(CPI)統計で重要な指標が予想を下回る上昇にとどまったことを歓迎し、インフレが引き続き鈍化するとの確信を示した。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁はコネティカット州ハートフォードで講演し「ディスインフレのプロセスは続いている。しかし、当局の2%目標にはまだ達していない。この目標を持続的な形で達成できるまでにはさらに時間がかかる」と述べた。
労働統計局が同日発表したCPI統計では、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比で市場予想に反して6カ月ぶりに鈍化したことが示された。
メリーランド州アナポリスで開かれたイベントでは、リッチモンド連銀のバーキン総裁が新たな物価データについて「インフレ率が目標に向かって低下しているという従来のストーリーが続いている」と記者団にコメントした。
ウィリアムズ氏と同様に、バーキン氏も政策当局が任務をやり遂げる必要性を指摘。「目標の2%に戻すための最終段階を成功裏に終えるためには、当局は景気抑制的であるべきだとなお考えている」と述べた。
シカゴ連銀のグールズビー総裁もCPIのデータについて、物価上昇圧力が緩和されるという自身の見通しを裏付けるデータだと言及。「インフレ面での改善傾向が続いている」とし、「2025年は成長を続けながらソフトランディングが達成できると引き続き楽観している」と語った。
3総裁はいずれも、追加利下げを支持する可能性のある時期については示唆しなかった。
インフレ懸念
15日朝に発表されたCPI統計は、金融市場で高まりつつあったインフレ圧力を巡る懸念の緩和に寄与した。こうした懸念は、米10年債利回りがここ数週間に1年余りで最高の水準に達した一因だった。
投資家の間では、2024年後半に政策金利を計1ポイント引き下げた米金融当局が今年中に0.5ポイントの追加利下げを行う可能性が高いと見られている。これは昨年12月に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の予測に一致する。