根室の北の勝「大吟醸」金賞 全国新酒鑑評会
北海道根室市の地酒「北の勝」の醸造元「碓氷勝三郎商店」(碓氷ミナ子店主)の最高級酒「大吟醸」が、全国新酒鑑評会で金賞を受賞した。全国と北海道、岩手県の鑑評会の3冠を達成した2022年以来2年ぶりで、杜氏の梅井利行さん(60)にとっては有終の美を飾る全国の``金、、となった。 全国新酒鑑評会は1911(明治44)年に始まった唯一の清酒品評会。酒類総合研究所と日本酒造組合中央会が共催して毎年5月に開いている。今回は23年度に酒造された新酒(吟醸、純米)が全国の828蔵から出品され、入賞は392蔵。特に優れているとされた金賞受賞の清酒は195蔵だった。 北海道からは16蔵が出品。入賞は4蔵で、うち金賞は根室の地酒「北の勝大吟醸」と合同酒精旭川工場の大吟醸酒「大雪之蔵風雪」の2蔵のみだった。 北の勝大吟醸は酒米に兵庫県産の山田錦を使い、精米歩合40%にまで磨き上げた清酒で、毎年12月に蔵出ししている同商店の最高級酒。昨年の希望小売価格は税別8519円。 杜氏の梅井さんによると、昨年は猛暑の影響で特に酒米が硬く、溶けにくかったことが影響したのか、「味はしっかりしていると思っていたが、吟醸香が薄かったので評価されるかは半信半疑だった」と振り返った。南部杜氏の流れをくむ梅井さんは、全国鑑評会直前の岩手県南部杜氏自醸清酒鑑評会で入賞を逃していただけに、「少し驚いた」という。 近く退職する梅井さんにとって、全国への出品は今回が14回目。最後の出品は入賞8回目、3度目の金賞で飾った。
釧路新聞