バイデン政権、キャピタルゲイン課税強化求める-2期目狙う予算教書
(ブルームバーグ): バイデン米大統領の2025会計年度(24年10月-25年9月)予算教書は、企業と富裕層に対し広範囲の増税を求めるもので、ワシントンに迫り来る税制闘争の序章となる。
トランプ前大統領が17年に行った減税措置の大半が25年末に期限切れとなるため、議会は今後の税制について激しい議論を迫られることになる。議員らが行動を起こさなければ、多くの低・中所得世帯が増税となる。
トランプ氏は政権に返り咲いたら「最大級の減税」を推進すると宣言。一方、バイデン氏はライバルの減税策の一部を温存する一方で、大企業や投資家への課税強化を求めている。
11日に発表された25年度予算教書における税制案は以下の通り。
キャピタルゲイン
投資所得と給与所得に対する課税を均等にするため、キャピタルゲイン税率を引き上げる。つまり、少なくとも100万ドル(約1億4700万円)の所得がある人のキャピタルゲインには、現行の20%に対し39.6%の基本税率が課されることになる。
メディケアディケア(高齢者・障害者向け医療保険制度)の信託基金を補強するため、3.8%のメディケア税を40万ドル以上の所得者には5%に引き上げることも提案。この場合、最も裕福な納税者は、投資収入やその他の所得に対して44.6%の連邦税率を支払うことになる。
資産所有者が死亡した場合にも課税されることになり、相続人に譲渡された場合に含み益が課税されないという利点はなくなる。
ビリオネア税
少なくとも所得1億ドルの世帯に最低税率25%を課すことを提案しており、現在8%の税率を払っている多くの米国人富裕層にとっては大幅な増税となる。
所得税
個人所得税の最高税率を37%から39.6%に引き上げることを提案。この税率引き上げは、トランプ氏が署名した減税措置を覆すことになる。
法人税
トランプ氏が17年に行った法人減税は大幅に後退し、最高税率は21%から28%になる。また、米企業の海外利益に対する課税を21%に引き上げ、トランプ政権時代の税法にある10.5%の税率を倍増させることも提案されている。