個人事業主をしていますが、売り上げや経費などの帳簿をつけていません…。確定申告の申告期限に間に合う気がしないのですが、遅れるとどうなるのでしょうか?
フリーランスとして初めて確定申告を迎えるときなど、帳簿の整理や必要書類の準備に手間取ることは珍しくありません。気づけば申告期限が目前に迫り、「間に合うのだろうか?」と焦る人も多いのではないでしょうか。 期限に間に合わない場合、延滞税や加算税といった税金が課されるほか、控除が減少することで税負担や保険料負担が増えてしまいます。確定申告の期限を守らなかった際のペナルティは決して軽くありません。 本記事では、期限を過ぎた場合のリスクや対処法、そして期限内に間に合わせるための具体的なアドバイスをお伝えします。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
確定申告に遅れると課せられる2つのペナルティ
確定申告に遅れると、ペナルティが発生します。具体的にどういったものか見ていきましょう。 ■延滞税と加算税が課せられる 確定申告期限を過ぎたときにまず課されるのは「延滞税」です。法定納期限(確定申告締切日)の翌日から完納する日までの日数に応じて課税されます。 税率は本来納める税金額に対して、納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までの期間については年2.4%、その翌日以降は年8.7%(それぞれ2022年1月1日から2025年12月31日までの期間)となっており、決して小さな金額ではありません。 加えて課されるのが、「無申告加算税」です。確定申告を忘れた(しなかった)ときに課される税金で、税務署に自主的に期限後申告を行えば税率は本来納める税金額に対して5%の税率で済みますが、税務署から指摘を受けてしまうと最大15%となります。 なお、無申告加算税は「法定申告期限から1ヶ月以内に自主的に期限後申告を行うこと」「期限内申告をする意思があったと認められる場合に該当すること」という要件を満たせば免除されるため、遅れても1ヶ月以内には申告と納税を済ませたいところです。 延滞税や無申告加算税の性質から、もし確定申告期限に間に合わない場合でも、1日も早い期限後申告が必要なことが分かります。 ■青色申告特別控除の金額が減る 青色申告を行う個人事業主は、各種条件を満たすことで、「65万円」「55万円」「10万円」のいずれかの青色申告特別控除を受けられます。しかし、55万円以上の控除を受ける条件の1つにあるのが、「確定申告期限までに報告書を提出すること」です。 確定申告期限を過ぎると控除額が10万円に減り、所得税と住民税を合わせた税負担が大きく増加します。例えば、所得税率が5%、住民税率が10%の合計15%の税率で計算すると、55万円の控除減少によって8万2500円の負担が発生する計算です。 さらに、国民健康保険の保険料の計算に使う所得額も大きくなるため、保険料の負担も増えてしまいます。 こういったことを防ぐためにも、確定申告期限を守ることは大切なのです。