「誰の許可もらって勝手に写真を撮っているの?!」観光地で遭遇する「肖像権ポリス」の嫌がらせ。どう対処する?
盛り上がったGWでした。溢れる人波に阿鼻叫喚、思い出も悲喜交々。何にせよ連休がにぎやかなのは良いですよね。そんな最中、SNSでは以下のような投稿が話題に。 この記事の他の画像を見る 「公園で写真を撮っていたら、知らない年配女性に『他人を撮影するな』とキレられた。建物を撮影しているんだと説明しても『他人が写り込まないように撮れ』としつこく付きまとわれ……」(要旨) せっかくの観光中に何とも気の毒な。いや、撮影されたくない人もいるだろうし肖像権もあるんだから、どっちもどっちだろって思われるかもしれませんが、投稿を見る限り、残念ながら年配女性がアウトです。 なぜなら投稿された状況において、公園にいた人々に「肖像権」は発生していないと思われるから。私たちが肖像権を認識しているモノ・場面で、ちゃんと肖像権が成立しているケースって、実は結構少ないんですよ。 例えばニュースで流れる東京駅や品川駅の「出勤風景」や、台風で飛ばされそうな女性なんて、どれも被写体の顔が出まくり、モザイクなんてかけていませんよね。 路上や公共の場所、いわゆるオープンな状況なら、誰かが何らかの理由で撮影する可能性がある、権利もある、それくらい予見できるはず。それを判ってそこに居るんだから撮影されても文句言っちゃだめよ、これが法律サイドの考え方です。 言うまでもなく「公園」は公共空間であるケースが殆どなので、投稿に出てきた年配女性の主張は、法的にはスジが通らないでしょう。個人を特定できる意図的なワンショットやツーショット、みたいな撮影ならば、場合によっては肖像権が発生するかもしれませんが、そこまでやって初めて「肖像権がぁ」という議論をスタートできる話なのです。 TVのバラエティー番組は? いや、TV番組の街頭ロケでは「背後に映り込む通行人」にボカシを入れているぞ、あそこだって公共の場所だろって思われるかもしれませんが、あれは後日「私が写ってるじゃないの!」「勝手に撮りやがって」というクレームに対応するのが面倒くさいから、です。 法的にはOKなんですよ、と時間をかけて説明するのを避けたいだけ、法的な義務ではないんですね。一方でニュース番組を作っている報道チームは、バラエティー班がやるような「面倒な人たちへの配慮」をほぼしないので、気温35度を超えた銀座の路上でアイス食ってるOLをそのまま、顔にモザイクを入れずに放送します。 その結果「バラエティーではモザイクかけてるのに!」というクレームが入り、説明がややこしくなり、対応がこじれ、最終的にバラエティー班と報道班の仲が悪くなる、というのはよくある話だそうです。