ロシアが戦術核使用を想定した演習開始、米国などに力を誇示
(ブルームバーグ): ロシアは戦術核使用を想定した軍事演習を開始した。プーチン大統領のウクライナ侵攻を巡って対立する米国とその同盟国に対して、力を誇示する格好だ。
ロシア国防省がテレグラムで発表したところによると、地上発射型の装置に配備されたミサイル「イスカンデル」と、極超音速ミサイル「キンジャール」を搭載した航空機を組み合わせた訓練を軍は行っている。同省は演習の実施期間について具体的には明らかにしなかった。
プーチン氏は今月、大統領として通算5期目の就任式を行う前日、西側の「挑発的な」発言への対応として演習を命じていた。フランスがウクライナへの軍派遣を示唆したことや、英国が同国製兵器によるウクライナのロシア領内攻撃を容認すると表明したことが念頭にある。
プーチン氏は2022年2月のウクライナ侵攻開始以来、核兵器の使用を繰り返しちらつかせ、米国など北大西洋条約機構(NATO)加盟国の非難を招いていた。同氏と先週会談した中国の習近平国家主席も過去に、核兵器の使用は中国にとってレッドラインだと警告したことがある。
ロシア国防省によると、今回の軍事演習を行っているのは南部軍管区で、陸軍と空軍の両方が参加している。
原題:Russia Begins Planned Tactical Nuclear Drills in Show of Force(抜粋)
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