高齢者の預金等の管理の方法としての「日常生活自立支援事業」とは?
図は(※2)に基づき筆者が作成
「日常生活自立支援事業」の対象者と利用方法
日常生活自立支援事業の対象となる人と利用方法は以下の通りです(※3)。 ■利用対象者 利用対象者は、判断能力が不十分な方(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等であって、日常生活を営むのに必要なサービスを利用するための情報の入手、理解、判断、意思表示を本人のみでは適切に行うことが困難な方)となっています。 そして、このサービスの契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる人です。 ■利用の方法 日常生活支援事業は、社会福祉協議会と本人との契約によってサービスが利用できます。 認知症の場合は、一定程度のサービス内容について判断ができ、利用の意志が判断できることが求められます。 家族としては少し難しいと感じるかもしれませんが、事前相談により解決できるケースも多いと考えられますので、一度相談してみると良いでしょう。 ■費用負担 相談や支援計画の作成にかかる費用は無料です。 福祉サービス利用手続き、金銭管理などのサービスを利用する際は、地域社会福祉協議会ごとに料金が決められていますが、利用内容によって金額に幅(月額500円~1万500円)があります(※3)。 いずれも、低所得者等は減免されます。 家族が遠隔地に住む場合や、本人が自分の財産管理について家族へ任せることに拒否感を持つ場合には、資産継承や相続前のステップとして利用することもできるのではないでしょうか。 特殊詐欺などへの対策としても有効であり、高齢者本人の理解を得ながら進めるのが良いでしょう。
まとめ
高齢者の預金などの資産管理についてのしくみと、社会福祉協議会が運営する「日常生活支援事業」についてまとめました。 特に、家族が遠隔地に住む場合には、特殊詐欺への対策としても有効と思われますので、検討してみるのはいかがでしょうか。 出典 (※1)三菱UFJ銀行 「予約型代理人」サービスの導入について (※2)全国社会福祉協議会 日常生活自立支援事業の概要と支援の現状 P5 (※3)内閣府 日常生活自立支援事業の概要 平成25年度神奈川における日常生活自立支援事業より一部抜粋) P6 執筆者:植田英三郎 ファイナンシャルプランナー CFP
ファイナンシャルフィールド編集部