就職で重視することは?「親世代」と「子ども世代」の決定的な違い
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2025」の「内定を確実にする「虎の巻」最新版 実践編」を転載したものです。 子どもの就活が気になりながらも、声の掛け方や接し方に戸惑う親は多い。本音を聞いて理解が深まれば協力できることも増えるはず。業界選びや就職観など、世代間の違いを掘り下げるアンケートの結果を3回に分けて、キャリア支援の専門家・谷出正直氏によるアドバイスと共にお届けする。第一弾は「親子で就職活動の状況を話し合うのか」「就職先で重視すること」など7問をご紹介する。(ダイヤモンド・ライフ編集部) 【読者アンケートQ1「親子で就職活動の状況を話し合うのか」回答を見る】 親子の意識ギャップを調査するべく、親世代と子世代の読者にアンケートを実施した。回答を詳しく見ていこう。Q1「親子で就職活動の状況を話し合うのか」の回答(下表参照)は、親、子ともに「ときどき話し合う」が最多。 その際の話題(Q2下表参照)は「就職先の選び方」が親子で最も多く、次いで親の回答は「親自身の社会人経験」が続いた。 最近の就活はスケジュールや選考方法など、親世代の若い頃から大きく変わっている。そのため、就活の進め方を親が子にアドバイスすることは簡単ではない。
● 親子で話しておくといい 「2つの話題」がある 代わりに親子で最初に話しておくといい話題がある。採用コンサルタントの谷出正直氏は「『どんな人と働きたいか』、『社会人と学生の違いは何か』を親から子に話すことが効果的」と言う。 学生たちは、そもそも社会人とは何かがあまり分かっておらず、過去に経験した受験の延長と捉える人もいる。就活の参考書を真似してエントリーシートを書いたり、面接での振る舞い方などのテクニックばかりを意識したりして「正解」を求めがちだ。 しかし就活は、試験のように点数を取れば合格するものではない。個人と会社の相性で内定が決まるものであり、どの学生・会社にも当てはまるセオリーは存在しない。 親子の会話の糸口が見つかったところで、キャリアの話をするのもよいだろう。「どの会社に入るか=就活と、生き方を考える=キャリアは別物であると知っておくことは一生の役に立つ」と谷出氏。 さらに、早い段階で「好きなこと、やりたいことを仕事にしても、向いていることを仕事にしてもいいと知っておくことが重要」とも言う。これを知らないと、就活を受験科目のように捉えてしまい、学んでいる領域からしか将来を選べないと思い込んでしまう。 Q3では「就職してほしい/したい業種・企業」の有無、Q4ではその具体的な業種を尋ねた。親世代の回答は官公庁・公共団体・公益法人が最多で、安定した仕事への期待がうかがえる。子世代は金融・証券・保険が最多だった(下表参照)。