映画「ノーヴィス」の撮影はサバイバル、主演イザベル・ファーマンの魅力は“強烈さ”
「エスター」シリーズのイザベル・ファーマンが主演を務めた映画「ノーヴィス」。同作のメイキング写真と、監督ローレン・ハダウェイのコメントが到着した。 【動画】ボート競技を始めてみたら…狂気が垣間見える「ノーヴィス」予告編はこちら 同作では、大学の女子ボート部に入部したアレックスが、「困難だからこそ、挑戦するのだ」というジョン・F・ケネディの言葉を胸に、同期のジェイミーと熾烈なレギュラー争いを繰り広げる。ファーマンはアレックスを演じるため、約6週間にわたって毎朝4時半に起床し、6時間の水上トレーニングに励んだ。 メイキング写真には、緊張感あふれる水上の場面や、トレーニングシーンの撮影風景が収められた。ハダウェイは大学時代にローイング(ボート競技)に没頭していた経験を持ち、その思い出をもとに同作の脚本を執筆し、編集も担った。クランクインから1週間で集中的に行われた水上シーンの撮影について、ハダウェイは「あの週はまさしくサバイバルモードと言えるもので、みんなが水に落ちないように、凍えないようにと特に注意を払っていた1週間でした」と振り返る。 主人公のアレックスは、ローイングに狂気ともいえるレベルの情熱を傾けていく人物だ。かつてのハダウェイ自身の投影でもあるそうで、「最初は軽い気持ちで始めたんですが、やってみたら信じられないほどに大変で……。それで没頭していったんですが、ほとんど中毒のような状態だったと思います」と大学時代を懐かしみ、「アレックスも同じで、これを克服すると決めて、満足するまで、自分が死んでもやり遂げる……そんな状態になっていきます」と物語の展開に言及した。 ファーマンを起用した理由は、実際に会ったときに感じた“強烈さ”。ハダウェイは「アレックスを演じる人は、そのような強烈さを持つ人でないといけないと思っていたし、彼女自身が作品で描かれた妄執をよく理解できる人だと感じたんです」と魅力を伝える。ファーマン本人は「アレックスと同じような意欲と野心と執着を持って、彼女と同じ道をたどった感じでした。ローイングを愛してるし、これからもずっと大好きだと思います」と撮影を経て抱いた思いを述べた。 これが監督デビュー作のハダウェイは、映画「セッション」「ヘイトフル・エイト」「ジャスティス・リーグ」「パシフィック・リム」などに音響担当として携わってきた。音響が映画の中で果たす役割に関して、ハダウェイは「よいサントラのおかげでよいシーンになったというケースも多く見てきたので、誰よりも音の重要性はよくわかっているつもりです」と語り、「アレックス自身の体験を観る人にも体感してほしかったから、そのために音を最大限活用しています」と本作での工夫を明かす。 撮影時、多くの壁にぶつかって絶望した際には、映画監督のデイミアン・チャゼルが「セッション」制作時を回想するインタビュー記事が助けになったそう。ハダウェイは「とても美しいものを作っているという感覚と、とんでもない災害のようなひどいものだという感覚の間を毎日綱渡りしている感覚だと語っていて、まさしく今の自分だと思いました。私の悩みはみんなが通ってきた道であり、自分が撮っている映画について少し視点が変わったんです。そのチャゼルのインタビューを思い返すことで、どうにか最後まで漕ぎ着けることができ、今でも大切にしている言葉です。私も、若い映画監督たちにもそのことについて伝えるようにしています」と思い入れたっぷりに話した。 「ノーヴィス」は、11月1日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、シネマート新宿ほか全国で順次ロードショー。エイミー・フォーサイス、ディロンもキャストに名を連ねる。 (c)The Novice, LLC 2021