冬でも百合を楽しもう……札幌・百合が原公園でレカンフラワー展
【北海道・札幌】この時期の札幌は、「さっぽろ雪まつり」も終わり、春に向かって暖かくなる季節ではありますが、まだまだ多くの雪が残っています。そのような季節でも、一足早く百合を楽しんでもらおうと百合が原公園(札幌市北区)で「レカンフラワー展」が開催されています。 レカンフラワー展の百合が原公園での開催は初めて。3月1日(火)から13日(日)までの間、公園内になる百合が原緑のセンター・小温室で開かれています。
札幌市公園緑化協会事業部のスタッフは「冬になると野外で花が咲かなくなってしまいますが、その花の咲かない季節の花の楽しみ方の提案として、レカンフラワーの展示をすることにしました」と、イベント開催のきっかけを話します。 「百合が原公園にはたくさんの植物・花がありますが、名前の通りその中心となっているのは百合です。その百合を使ったレカンフラワーはなかなかないはずです。というのも、百合は花弁が大きく乾燥しづらいのでレカンフラワーに不向きとされているので、製作を担当した方も『難しかった』と話していました」(村山さん) さて、ここまでさらりと「レカンフラワー」と紹介してきましたが、あまり聴き馴染みのない言葉かもしれません。レカンフラワーとは、特殊な加工を施して、植物や花を自然な色のまま立体状態で乾燥させたもので、押し花やドライフラワーとはまた別の種類の保管が可能です。 レカンとはフランス語で「宝石箱」の意味で、シリカゲルという乾燥剤を細粒化した「ジュエルサンド」と呼ばれる砂状のものに花を1週間(気温・湿度などの条件で多少変わる)ほど埋めておくことで完成します。ドライフラワーとの一番の違いは、変色防止技術を用いることで生花の色彩・瑞々しさがそのまま保存されること。このように出来たレカンフラワーは、瓶や額に密閉することで、多少の劣化はあるものの10年以上保管出来るそうです。
レカンフラワー向きの花としてはアジサイやクリスマスローズがありますが、今回は、百合が原公園のスタッフたっての願いで百合のレカンフラワーが展示されることになりました。 百合が原公園では、今後も百合にまつわるさまざまな展示を行う予定です。レカンフラワー展は3月13日(日)までの開催、入場料は中学生以上が130円、65歳以上および障碍者手帳を提示により無料となります。 (ライター・橋場了吾)