過去と向き合い、素直になれたウジュ（カン・ハンナ）

　キベクだけでなく、ウジュもまた、自分を捨てた実母との決着をつけていた。ウジュは、これまで自分を育ててくれた養母ボクジャ（ペク・ジュヒ）を結婚させるために彼女の背中を押す。さらに、ウジュは、新しい企画『洗濯セラピー』を成功させるために、素直にスタッフたちに助けを求める。スタッフたちは、ウジュが「助けを乞うのを待ってた」と言い、新番組にむけてチームは盛り上がる。 　人気スターのチョンウン（チュ・ジョンヒョク）は、忙しすぎて疲弊し、パニック障害を患ってしまったことから休養を取ることにする。チョンウンは、ボランティアや、自分の父との和解を経て、旅に出てすっかり充電が完了する。チョンウンの復帰作は、ウジュの番組『洗濯セラピー』の司会で、心機一転した彼は晴れやかな笑顔を見せた。 　本作では、キベク、ウジュ、チョンウンの3人だけでなく、キベクの同僚や弟たちといった登場人物たちがそれぞれ「本心を明かすこと」で、「本当に自分のやりたいこと」を見つけていった。 　序盤はポップなコメディとして始まった本作だが、中盤にはラブコメ要素が混ざり、終盤には温かなヒーリングドラマとしての側面が強くなるなど、グラデーションのように物語の温度と色が変化していく作品だった。 　コ・ギョンピョとカン・ハンナによるロマンティックコメディは、コース料理のメインを張るような派手さはなく、“観なくてはいけない”強さを持つわけではないが、箸休めのようなホッとする気持ちにさせてくれる。そんな癒しの力を持つ面白くて温かな作品だった。