【90年代りぼんの編集者・トミー登場!あの頃の裏話、聞かせてください(後編)】
’90年代『りぼん』の読者ページ “くねくね横丁”から編集者トミー登場! 後編では『GALS!』『ルナティック雑技団』などについてお聞きします
’90年代の『りぼん』で多数の連載を抱えていた“編集者・トミー”に、人気作品の制作秘話や当時の編集部の様子、読者ページの裏話を聞きました! 前編・中編と併せてお楽しみください。 ──── やまみ(以下や) トミーさんといえば、『こどものおもちゃ』『ご近所物語』に加えて『GALS!』も立ち上げからご担当されていたんですよね。 トミー(以下ト) そうですね。当時小学生向けの漫画で”援助交際”なんて言葉が出てくる作品はなかったから、『GALS!』1話の校了紙を見た編集長が副編集長を呼んで、「これをりぼんに載せるのはどうなのか」と苦言を呈していました。その時に副編が「そういったことを肯定する漫画ではないからこのままいきましょう」と戦ってくれて、そのまま掲載することができたんです。 実際に掲載されてみたら、読者アンケートでいきなり1位になったので、こちらとしては「やった!」という気持ちでしたね。 や 第1話が掲載された時のこと、よく覚えています。明るくて可愛らしいりぼん王道のヒロインとは全く違う、超ギャル系主人公・寿蘭ちゃんの登場は衝撃でした。やることはめちゃくちゃでも、底抜けに明るくて筋が通っていて、とにかくパワフル! 私は地方に住んでいたので「渋谷ってすごいな~!」という憧れも。ルーズソックスやハイビスカス、じゃらじゃらつけた携帯ストラップにプリクラ……漫画のいたる箇所にリアルな流行が反映されていましたよね。 ト 藤井みほな先生は週に何度も渋谷に行って、そこにいる女子高生の言動やファッションを観察し、リアル感を追求していました。それだけのパワーを持った方なので、その熱量が誌面からも伝わって読者を引き付けたのだと思います。 や 以前、展覧会で藤井先生にご挨拶させていただく機会があったのですが、ご本人にお会いした瞬間に「リアル蘭ちゃんだ!」と驚きました。キレイで明るくてパワフルで……周囲がパッと華やぐ雰囲気も同じ。そういえば、藤井先生がX(旧Twitter)にあげた『GALS!』のその後を描いた漫画が大バズり(閲覧数1000万超え!)したことをきっかけに、続編の『GALS!!』がマンガMeeで連載されることになったんですよね。もう最終話を迎えていますが、パワーアップしたみんなにまた会える『GALS!!』、もちろん全巻買いました!