新郎新婦「定番」のシーンにジェンダーバイアスを痛感。家父長制の名残に困惑した「初めての結婚式」
「母親」たちの声を一度も聞くことがなかった
そして、他にも違和感を覚えたことがありました。 全体を通して、ほとんど男性がしゃべっていたな、ということに気づいたんです。挙式は人前式(家族や友人などのゲストに証人となってもらう)だったのですが、誓いの言葉などを、ずっと新郎が言っていたんです。新婦は、ごく一部の語尾を繰り返すだけ。 さらに、披露宴の最後の親族の挨拶では、父親が代表で挨拶。最後は新郎からの謝辞で締め括られ、最後まで母親たちの声は一度も聞くことがありませんでした。 結婚式は家制度の名残、男尊女卑の風潮が強烈、というのはよくSNSなどでも話題に上がりますが、実際に自分が体験してみるとなかなかのインパクト。 しかし、他にも結婚式には様々な家制度や男尊女卑の名残があるのです。
あらゆることが「新郎」優先
「結婚式の“謎ルール破り”をしてみた。新郎ファーストも○○家もやめて起きたことは?」という記事では、結婚式の常識を覆すために奮闘した女性の格闘が綴られています。 この記事を読むと、あまりに結婚式の全てが男性優位に出来ていて、目眩がしてきます。招待状のフォーマットは全て新郎の名前が先。披露宴の入場や2人で歩くときは新婦が下がって歩く。新郎側や男性が上座、新婦側や女性が下座といった常識の数々。それらを変えようとすると、プランナーからこんなことを言われたのだといいます。 いやもう、とんでもないな! 絶句です。家制度の名残はんぱない!
芸能人の「結婚発表の書面」も男性の名前が先
結婚式の話ではないですが、芸能人の結婚発表の書面って、ぜっっったい男性の名前が先じゃないですか。お祝いムードに水を差すようで言えなかったのですが、あれ、ずーーーーーーっと謎で。でもそれって、女性を先に書くと「間違いだと思われる」という理由もあるからなのかな、なんて、この記事を見て思ったりしました。 時代の変化に感度が鋭そうな芸能人も、男性の方が上で書面を出していたのを見た時、ちょっと複雑な気持ちになりました。もちろん、どちらかを先に書かないといけないわけですし、そこに深い意味はないんだろうとは思います。 でも、意味がないなら女性が先だっていいわけで、結婚式の上座が男性側と決まっているように、やっぱり「男性が先」っていうのが潜在意識の中にしっかり沁み込んでいるんだろうなと感じます。 先日見た、『私たち結婚しました』という番組の結婚発表の書面が、女性の名前が先で、思わず三度見してしまいました。 この結婚は番組の企画ではありますが、フィクションとはいえ、女性の名前が先っていうものを初めて見て、時代の変化を感じました。今後実際の結婚発表でも、女性が先というのを見たいなーと思いました。
イラスト/Sumi 文/ヒオカ 構成/金澤英恵
ヒオカ