平均50歳には見えない!「太陽とシスコムーン」サブスク解禁に、ネットが祭りになったわけ
「来週の女より 強いめで抱きしめて」…今も刺さる歌詞
サブスク解禁のニュースにネットが湧いた背景には、彼女たちの魅力が今の令和の時代にも合っていることが言えると考えます。太シスの魅力は、さまざまなバックグラウンドを持つ4人が集まっているというユニークさだけではありません。4人全員が抜群の歌唱力を持っていたこと、モーニング娘。と比較して平均年齢が高くてお姉さん的な立ち位置のグループだったこと、一方で20代前半から半ばにしては大人びた楽曲とセクシーな歌詞。 特に一般的な20代ではおおよそ経験し得ないであろう恋愛観が散りばめられた歌詞は、今のアラサーアラフォー世代に深く刺さります。 たとえば「Gotta Make it Love(その愛を育てなければ)」という言葉から取った2ndシングル「ガタメキラ」では、「もうちょっとましな顔なら もうちょっと本気で私 愛してくれたの」、「来週の女より 強いめで抱きしめて」、「公認でくちづけて」などの歌詞が。好きな男に向けて2番目でいいからどうにか愛してほしいと懇願しているかのような歌詞には、女としての悲哀を感じずにはいられません。
成熟した雰囲気は、ハロプロのスパイスに
改めて聴いてみると、こんな官能的で慕情たっぷりな歌を平均年齢23歳の女性たちが歌っていたとは……。後のインタビューで当時は歌詞の意味について深く考えたことはないと語っていたメンバーでしたが、20代とは思えないほどの歌唱力と表現力には今なお魅了されてしまいます。 この抜群の歌唱力と成熟した大人の女性というセクシーな雰囲気は、ハロプロ内でも存在感を発揮しました。ハロプロ初のプロジェクトとなったシャッフルユニットでは、中心となっていたモー娘。メンバーを影でしっかり支える役割を果たしており、ハロプロ全体においてもとてもいいスパイスとバランスをもたらしていました。
子持ち、外国人…早すぎた多様性グループ
また小湊さんはデビュー当時21歳でしたが、すでに既婚者でお子さんがいました。太シスをアイドルと定義するのかは微妙なところですが、それでもモー娘。をすでに排出しているハロプロにおいて既婚者子持ちの人妻のメンバーというのはかなり特異な存在でした。 また大阪出身の稲葉さんが関西弁で喋る声をサンプリングした楽曲や、小湊さんが民謡を披露したり、RuRuさんが中国語のセリフを話したりする楽曲も。どんなバックグラウンドも国籍も属性も受け入れるスタイルで、多様性を体現するような個性がぶつかり合うグループだったと言っても過言ではありません。「誰が誰なのか見分けがつかない」という、大人数グループによくある現象に食傷気味になっているアラサー以上に支持されるゆえんでしょう。 太シスのデビューが1999年4月、モー娘。に当時中学1年生だった後藤真希さんが加入するのがその年の8月。多様なバックグラウンドを持つセクシーで大人な実力派のお姉さんグループは、あまりにも時代が早すぎたとも言えます。しかしだからこそ2024年になってもその魅力が再評価されているのかもしれません。