にしおかすみこ、認知症の母、ダウン症の姉、酔っぱらいの父の話をしてきたマネージャーがいなくなる衝撃
「うちは、 母、80歳、認知症。 姉、47歳、ダウン症。 父、81歳、酔っ払い。 ついでに私は元SMの一発屋の女芸人。45歳。独身、行き遅れ。 全員ポンコツである」 【写真】にしおかすみこさんのお母さんの「踏ん張る倒れ方」とは… 2021年9月、この書き出しで始まった連載「ポンコツ一家」。にしおかすみこさんは2020年のコロナ禍、久々に実家に帰った時、荒れた家とこれまでとは違う母の姿に遭遇した。その後母の認知症がわかり、それから同居をしている。2023年1月には13編の連載に5編の書き下ろしを加えて単行本『ポンコツ一家』にまとまった。 この連載が始まったのは、にしおかさんのマネージャー氏がFRaUweb編集長のところに原稿を持ち込んだことがきっかけである。 しかしそんなマネージャー氏が「いなくなってしまう」のだとにしおかさんが言う。 4月は新生活で様々な別れもある季節ではあるが、それはどういうことなのか。
2024年4月某日
《番外編》~ごく最近の愚痴~ 2024年4月某日、朝6時。 朝食を作りながら、ため息をつく。言っても仕方のないことなのに、誰かに聞いて欲しくて、居間の座椅子に腰を埋めテレビを眺めているこの人にぼやいてみた。 「ずっと担当してくれていたマネージャーさんがね、事務所辞めちゃうんだぁ。家の事情だって。ショックでさぁ……」と。……わからないよね。 すると意外にも心配そうな顔をこちらに向け、 「うへぇ。あんたが芸能界にいられるのもマネージャーさんのおかげだろう? あんたもう終わりだねえ。……あ、違う。ママとしたことがうっかり。とっくに終わってるじゃない。なんだあ……あん? じゃあ何がショック?」 別のいらぬ小さなショックに横腹を刺される。予想はついたはずなのに。人選を間違えた。 再びいつも通り手抜きで家事をこなしながら、女3人で朝食をとり、姉を作業所へ送り出し、寝ている父のイビキと酒臭い部屋の戸を閉め、最低限のやるべきことはやり一段落。