長崎県内倒産32件 過去10年で最多、負債総額は36億円 2024年度上半期
東京商工リサーチ長崎支店が発表した2024年度上半期(4~9月)の長崎県内企業倒産件数(負債1千万円以上)は、32件で前年同期と比べ13件増え、過去10年間で最も多かった。1971年の集計開始以来では12番目に少なかった。 負債総額は36億4300万円。件数増を主因に約16億円増えた。ただ集計開始以来、下から11番目、過去10年でも同6番目の低水準だった。 このうち負債1億円以上の大口倒産は7件(前年同期比1件減)。佐世保市内の医療法人の破産申請による約11億7千万円が総額を押し上げた。 原因はほとんどが販売不振。うち15件は新型コロナウイルス関連倒産だった。件数を業種別で見ると▽サービス14▽製造5▽建設4▽卸売3▽小売3▽農林水産2▽運輸1。従業員1~4人規模が19件を占めた。 同支店は今後の県内見通しについて「アフターコロナの中、経済活動は活発化している」としつつ、人口減少下の市場縮小や人手不足、原材料上昇による建築物件の減少、物価高騰に伴う消費低迷をマイナス材料として列挙。「経営基盤が不安定な企業を中心に廃業や倒産が徐々に増える」とみている。 同時に発表した9月の県内倒産件数は4件、負債総額は5億3800万円だった。