アバランチ(AVAX)、「Durango」アップグレードをメインネットに実装完了
アバランチのDurangoアップグレードがメインネット実装
レイヤー1ブロックチェーン「アバランチ(Avalanche)」のアップグレード「デュランゴ(Durango)」が、同ネットワークのメインネットに3月7日に実装完了した。 「デュランゴ」の主な実装は、新たなクロスチェーン・メッセージング・プロトコル「テレポーター(Teleporter)」だ。 アバランチは、サブネット同士が相互運用を実現するために使用する通信規格「アバランチ・ワープ・メッセージング(AWM:Avalanche Warp Messaging)」を実装している。 「テレポーター」は、この「AWM」を基盤にして構築されたメッセージングプロトコルだ。同プロトコルを利用することで開発者は、簡単に「AWM」の機能を自身のサブネットで利用可能になり、別のサブネット上のスマートコントラクトの呼び出しなどが可能になる。 また「テレポーター」はアバランチのCチェーン(Contract Chain)でも実装され、EVM搭載のサブネットがCチェーンと相互運用可能になるとのことだ。 なおサブネットとは、アバランチのブロックチェーンエコシステム上に独自のブロックチェーンを構築できるサービスおよびそれにより構築されたブロックチェーンのことだ。またCチェーンは、EVMを実装したスマートコントラクトが利用できるチェーンで、dAppsの構築に利用される。 「デュランゴ」は2月1日にプレリリースコードが公開され、2月14日にアバランチのテストネットである「フジ(Fuji)」に実装された。その後約1か月のテストを経て、メインネットで実装が完了した。 アバランチの開発を主導する米アバラボ(Ava Labs)は最近、独自に開発した機能やサービスをいくつか発表している。1月27日にはトランザクションの処理工程を分離することで、独立に並列して処理する仕組みを採用した独自開発の新たなスケーリング技術「ヴェリクス(Vryx)」を発表している。
田村聖次(幻冬舎 あたらしい経済)