ネイルアートで源氏物語の世界観を色鮮やかに表現 NHK大河「光る君へ」から着想、福井県越前市の美容師
福井県越前市の美容師、酒井清美さん(51)が第52回全日本美容技術選手権大会(11月・富山)のネイルアート部門で準優勝に輝いた。優雅な源氏物語の世界観を色鮮やかに表現した力作を出品し、高評価を受けた。「準優勝はびっくりしたが、すごくうれしい」と喜んでいる。 同大会のネイルアート部門は10本のネイルチップに絵の具で繊細な絵を描く技術を競う。一定の大きさの箱に収めて提出するのが要件で、ほかに作品の大きさに規定はない。今回は「艶」をテーマに、全国から7人の応募があった。 子どもの頃から手先が器用で、絵を描くのが好きだったという酒井さん。仕事の一環でネイル技術の習得に向けた講習を受けた際に出会ったネイリストから才能を買われ、大会への出品を打診された。仕事ではネイルアートは未経験だったが「せっかくなら」と挑戦を決め、1カ月半をかけて仕上げた。 作品はNHK大河ドラマ「光る君へ」から着想を得ており、源氏物語に登場する「光源氏」と「紫の上」が描かれている。特に紫の上の黒髪の表現にこだわり抜いたといい「藍と黒の絵の具を塗り重ねて、艶やかさを追求した」と明かす。さらに、光源氏が詠んだ和歌が書かれたかるたや、桜や藤、梅の花なども描き込み、平安の世界の雅さを際立たせている。 酒井さんは「完成までの期間は大変だったが、結果を含めて良い思い出になった」と振り返る。すでに新たな作品のアイデアも考えており「次は優勝を目指したい」と意気込んでいる。