ロシア、北朝鮮の制裁違反を調査する専門家の「任期延長」に拒否権 中国は“理解”
北朝鮮が制裁に違反していないか調査する国連の専門家の任期延長がロシアの拒否権によって認められなかったことについて、中国政府は「制裁や圧力だけでは問題を解決できない」などと理解を示しました。 北朝鮮に対する制裁の履行状況を監視し、定期的に報告書をまとめている「専門家パネル」について、国連の安全保障理事会は28日、任期を1年延長する決議案を採決しましたが、ロシアの拒否権行使によって否決されました。 採決では、日本やアメリカなど13か国が賛成した一方、中国は採決を棄権しました。 これについて、中国外務省の報道官は会見で、制裁の見直しを求めるロシアの「合理的な提案」を協議せずに採決を行うのは「安保理の権威を損なう」と述べ、ロシア側に寄り添う姿勢を示しました。 その上で、「朝鮮半島情勢の緊張は依然として高まっており、制裁や圧力だけでは問題を解決できない」などと主張し、採決を棄権した判断を正当化しました。 現在の専門家パネルの任期は4月30日までで、期限切れとなると、北朝鮮への制裁についての監視が困難になることが懸念されます。