【桜花賞】アスコリピチェーノ 不屈の男北村宏司と桜制覇だ 黒岩師太鼓判「すごくいい」
「桜花賞・G1」(4月7日、阪神) 24年のクラシック戦線が桜花賞でいよいよ開幕する。2歳女王アスコリピチェーノとタッグを組むのが北村宏司騎手(43)=美浦・フリー=だ。前走阪神JFが8年ぶりのG1勝利。度重なる負傷を乗り越えてきた不屈の男が、頼もしいパートナーとともに自身初の牝馬クラシック制覇を狙う。 3戦負けなしで桜花賞に臨むアスコリピチェーノ。重賞2戦でコンビを組み、ともに無敗街道を歩んできたのが北村宏だ。 2歳女王に輝いた阪神JFをこう振り返る。「競る形になったり、抜け出したり、また迫られたり。気を抜けなかったけど、最後まで一生懸命に走ってくれて、いい走りだったと思います」。新潟2歳Sからの確かな成長を感じ取り、「気持ちの面で振り幅を乱すことが少なくなったかな。体は当時からいいボリュームのある馬で、順調に育っている感じがする」と頼もしそうに語った。 前走時と同様、早めに栗東へ入厩して調整。併せ馬となった1週前追い切りに騎乗して「リズムも良かったし、直線も慌てないで並び掛ける感じ。こちらのタイミングを馬が待ってくれて、良かったかなと思う」と好感触。続けて「初めての(栗東滞在だった)前回よりも慣れが早く、メリハリがあって落ち着いた感じ。いろんなところが順序良く大きくなるというか、成長している気がします」と実感する。 自身は15年12月に左膝関節捻挫、19年3月に頭部外傷、21年6月に右足骨折、そして今年1月にも落馬で右鎖骨骨折。近年はケガが続いたが、立ち上がってきた。「応援してくれる人たちがずっといたので」と感謝する。15年菊花賞(キタサンブラック)以来8年ぶりだったG1勝利に続き、狙うは牝馬クラシックのタイトルだ。「(馬が)みんなに手を掛けてもらっていいコンディションを維持してくれているから、しっかり調教もできる。健康で、いい精神状態でレースに向かえるので、頼もしいというか、レースに集中できる」。無敗の桜戴冠へ、苦難を乗り越えた不屈のジョッキーがエスコートする。 アスコリピチェーノは阪神JFから直行で桜花賞に向かう。激戦を制して2歳女王に輝いた後は熱発などもあったが、黒岩師は「新潟2歳S後の方が疲労感は大きくて、それに比べれば前走後は早いうちから乗り進められていますし、すごくいい。休養明けであるとか2月末に熱発した影響は全く感じられない」と順調さをアピールする。 1週前は栗東CWでルージュエヴァイユ(5歳オープン)と併入。師は「体は増えているけど太め感はないですし、成長できていい状態。やりたい調教ができています」と強調する。無敗の桜の女王へ歩みを進める。 〈1週前診断〉北村宏を背に栗東CWで6F82秒2-11秒2(馬なり)をマーク。ルージュエヴァイユと併入した。3連勝で阪神JFを制してからぶっつけ本番となるが、馬体に太め感はない。キビキビとした動きで気合乗りも上々だ。