笑福亭仁智会長、4期目へ所信表明 コロナからの反転攻勢「まずは島之内寄席を復活したい」
上方落語協会会長の笑福亭仁智(71)が2日、大阪市北区の天満天神繁昌亭で「上方落語・繁昌亭体験ツアー」の下見見学会に出席した。 団体客を対象に、若手噺家による上方落語解説、繁昌亭バックヤードツアー、昼席鑑賞がセットになったツアーを企画。「コロナで今まで来ていただいた方も通う習慣がなくなり、団体で誘われたのをきっかけにまた一人でも来てくれるのではないか」と現在、コロナ前に比べて80%ほどまでしか集客は戻っておらず、4月1日から寄席営業課を協会内に立ち上げて、反転攻勢を狙う。 仁智は1日に同協会会長に再任されたことが発表され、4期目に突入。任期は2年で「コロナでほとんどやりたいことやれていませんので。まずは島之内寄席を復活したい」とプランを明かした。 島之内寄席とは1972年に6代目笑福亭松鶴さんの発案で大阪市中央区の島之内教会内に開場させた寄席。戦後長らく、大阪には落語専用の劇場(寄席)がなく、寄席を復活させることは、当時の落語家一同の悲願だった。数年後から、場所を転々とし、コロナ禍により2020年2月以降は開催されていないが、あべのハルカスが会場の候補に挙がっている。寄席の名前と地名が異なるが、「島之内という名前は大事な名前。松鶴師匠、上方落語の先人のみなさんの思い。苦渋の辛い時代が長かったもんですから、みんな思いれのある名前」と力説した。 他にも「2年ではできませんが、繁昌亭横丁みたいな街並みを作りたい」と意欲も見せた。