半壊乗り越え「おかえり」 SSTR・ライダー愛用の民宿 羽咋・千路で再開
多くのライダーに愛されてきた羽咋市の「民宿はまなす」が被災を乗り越え、今年もSSTR(北國新聞社後援)で宿泊者を受け入れた。千里浜海岸に近い島出町の建物は能登半島地震で半壊となったが、山側の千路町に移って再オープンした。SSTR閉幕から一夜明けた20日、宿泊者を送り出した女将(おかみ)の若城はる美さん(58)は「みんなが集える場所を守れてうれしい」と笑顔を見せた。 【写真】宝達山に来たライダーをもてなす宝達志水町職員=宝達志水町の宝達山 民宿はまなすは、元日の地震で建物や上下水道が被害を受けた。営業の見通しは立たなかったが、多くのライダーや常連客からの応援を受け、2月末に再開を決意。知人のつてで千路町の民家を借りることができ、SSTRに間に合うように準備を進め、9月25日に再オープンした。 民宿はまなすはSSTRが始まった11年前からライダーを受け入れ、若城さんの明るい人柄とアットホームな雰囲気が人気だ。今年もSSTR期間中はほぼ満室となり、全国から約300人のライダーが若城さんに会いに来た。 若城さんは「場所が変わっても、はまなすは変わらないねと言ってもらえて涙が出た。これからもおかえりと笑顔で迎えたい」と話した。 ●ゴール最多1万1976台 今年のSSTRは5~19日の15日間開催し、過去最多となる計1万1976台がゴールした。各日、ライダーが太平洋側で日の出を見て出発し、千里浜海岸を目指した。 ●宝達山でもてなし菓子贈る 宝達志水町は20日、能登最高峰の宝達山(標高637メートル)で訪れたライダーをもてなした。山頂公園の「山の龍宮城」にブースを設け、餅菓子の「おだまき」やイチジクを使った菓子、ステッカーなどを贈った。