クイズ作家が選ぶ、史上最もIQ・知能指数が高いドラマキャラ(4)もはや異文化交流…不器用すぎるラヴコメディ
高知能のキャラクターは、いまや映画・ドラマの定番ともいえる。本コラムでは、数ある高知能キャラのなかでも、特に魅力的な面々が登場する作品を5本セレクト。めくるめく頭脳戦やほろりとさせる人間関係など、作品の見どころと併せて紹介する。第4回。(文・近藤仁美)
『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』(2007~2019年)
製作総指揮:ビル・プラディ、チャック・ロリー 出演:ジョニー・ガレッキ、ジム・パーソンズ、ケイリー・クオコ、サイモン・ヘルバーグ、クナル・ネイヤー、メリッサ・ローチ、メイエム・ビアリック他 【作品内容】 カリフォルニア工科大学の物理学者であるレナードとシェルドンは、研究者としては優秀なのに、恋愛はからきし。 ある日、彼らがルームシェアする部屋の向かいに、キュートなブロンド美女が引っ越してきた。なんとか彼女の気を引こうとする彼らだが...。 【注目ポイント】 アメリカの超高視聴率ドラマ。2011年にゴールデングローブ賞コメディ部門主演男優賞。2010・11・13・14・15・16年、エミー賞のコメディ部門主演男優賞やコメディ部門マルチカメラ編集賞を受賞。 メインキャラクターのレナードとシェルドンは、2人合わせてIQ360。知能指数は抜群なのだが女性との接し方はあまりに下手で、向かいに引っ越してきたペニーをはじめ女性陣と仲良くしようとするも、焦ると科学用語が飛び出してかえって話が通じない、友達と議論に興じていると気になる女性も放置してしまうなど、奥手なオタクの恋愛悲喜劇が描かれる。 レナードとその仲間たちが女性と話しはじめると、異性との会話というよりもはや異星との交信。やりとりはかなり戯画化されているので、高IQで理系オタクの自覚がある人は、笑って観られる心の余裕があるときに視聴することをおすすめする。 さて、あまりに“ギーク”な主人公たちだが、好き勝手に動いているようでいて、時折世間の「常識」との間で揺れ動く様や仲間想いの一面も見受けられる。そうした様子が、笑いあり・下ネタありのシチュエーションコメディに深みを与えており、1話あたりの短さも相まって、次々と映像を観させる力になっている。 【著者プロフィール:近藤仁美】 クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。株式会社凰プランニング代表取締役。これまでに、『高校生クイズ』『せっかち勉強~知らないとヤバい事~』等のテレビ番組の他、各種メディア・イベントなどにクイズ・雑学を提供してきた。2023年、「Trivia Hall ofFame(トリビアの殿堂)」殿堂入り。著書に『人に話したくなるほど面白い! 教養になる超雑学』(永岡書店)など。
近藤仁美