一時3万6000円超えバブル後高値を更新した株価 キーワードは「天地人」【WBS】
日経平均株価は6日連続で上昇し、15日には一時3万6000円台の大台をつけました。実におよそ34年ぶりの高値です。 【動画】34年ぶり一時3万6,000円台 上昇が目立ったのは、証券会社の株式。連日の株価上昇を受けて、大和証券グループ本社や野村ホールディングスが大きく値を上げました。また百貨店の松屋やコンビニチェーンのローソンなど、業績が良い企業が大きな上げ幅となりました。 高値を更新し続ける株価。投資家はどう見ているのでしょうか? 「(株高が)続くのではないか。新NISA(=少額投資非課税制度)で市場に金が入り、中国の不動産がダメなので、その代替で日本株が買われるのでは」(投資家) 「(株高の勢いは)どこかで落ちる。洗礼はある。地政学的なリスクが大きいと思う」(投資家) 株高に沸く株式市場を投資家にとってより魅力的なものにしようと東証は15日、ある取り組みを始めました。それは株価の上昇に向けた具体策を開示している企業リストの公表です。15日公表されたのは、最上位市場のプライムと注意市場のスタンダードに上場する企業のうち、去年末の時点で株価の向上策を開示していた企業です。 プライムでは上場企業の40%にあたる660社。スタンダードでは12%の191社の社名が公表されました。例えば、株価がバブル期の水準を超え、好調な日立製作所は役員報酬のうち、株価に連動して支払う部分を拡大し、市場を意識した経営を強化しています。 東証が企業リストの公表を始めた背景には、市場評価が低い企業が多いことがあります。 「PBR(=株価純資産倍率)が1倍を超えている企業でも、株主・投資家の期待を踏まえ、さらなる向上に向けた取り組みが求められる」(「日本取引所グループ」の山道裕己CEO 2023年10月) PBRは株価の水準を表す代表的な指標で1株当たりの純資産に対して、株価が何倍かを示します。PBRは1倍を下回ると市場での評価が低いとされますが、プライム市場では4割以上の企業が1倍を下回っているのです。 東証はPBRの水準に関わらず、プライムとスタンダードに上場する全ての企業に情報の開示を求めていて、企業リストは毎月更新します。 今回の取り組みが株価への更なる追い風となるのでしょうか。 今回の株高の背景についてWBSの滝洋一解説キャスターは「天地人」がキーワードだと話します。 「”天の時”は日本経済がデフレ期を脱却して、名目GDPで拡大し始めている。“地の利”は米中の分断が深刻化している中で、グローバルな投資資金が中国を離れて日本に向かい出してるところが大きい。そして”人の輪”は新NISAで家計、つまり個人の資金が預貯金から株式に動き出している。一方で企業には稼ぐ力を高めるように東京証券取引所がいわば圧力、背中を押し出していることは大きい」 ※ワールドビジネスサテライト