首都の通りからテント村撤去 夏季五輪を控えたパリ警察
パリ、フランス、4月24日 (AP) ―夏季五輪開催を控えたパリ警察は4月23日、セーヌ川周辺の道路でキャンプを張る不法移民を一斉に退去させた。人権団体は"社会浄化"キャンペーンだとして警察を非難している。 例年になく冷え込んだ4月の夜明け前、警察はテントで寝ていた30人ほどの西アフリカ出身の青少年を起こし、荷物をまとめて退去するよう命じた。退去を命じられたほとんどが、住民票を申請中の未成年だった。 これより数日前に警察は、パリ南部郊外にあるフランス最大の不法占拠者キャンプに対して強制退去を実施した。 これに対して、パリ周辺の不法移民や占拠者を支援するグループは、五輪開催を控えた当局が、強制的な立ち退きの執行を強化させていると非難。 当局は、亡命希望者の多くが裁判を控えているパリ地方に避難所を提供する代わりに、首都から遠く離れた場所に送り出しているという。 「当局は五輪大会のために市内をきれいにし、不法移民や亡命希望者であふれたパリを観光客に見せたくないのだ」と支援グループに1人は指摘する。 警察は、テント村が学校の近くにある点を挙げて、治安上の理由で強制執行を実施すると反論している。 (日本語翻訳・編集 アフロ)