北方の海鳥「ケイマフリ」が南房総に飛来 野鳥の森所長が見つけ撮影(千葉県)
南房総市千倉地区の白間津漁港で4月19日、北海道沿岸に生息し、環境省の絶滅危惧2類に指定されている海鳥、「ケイマフリ」と思われる鳥が見つかった。館山市の館山野鳥の森の三幣篤史所長が発見し、房日新聞社に写真と動画を提供した。 ケイマフリは、北海道・知床半島や天売島などに生息し、東北地方沿岸が生息南限といわれている海鳥。赤い脚が特徴で、夏羽は全身が黒く、目の周りのみが白色、冬羽は喉から腹にかけて白くなる。 休日にバードウオッチングを楽しんでいた三幣所長は、同港で2羽の「オオハム」の姿を一眼レフカメラで追っていたところ、オオハムによく似た1羽の鳥を発見した。船揚げ場の反対側にある船着き場の階段を「トコトコ」と上ったり、羽を休めて毛づくろいしたりしていて、1メートルほど近寄っても逃げず、間近で観察できたという。 オオハムと似ていたものの、大きさはやや小さく30~40センチほどで、羽の模様などが異なり、初めて見る姿。「何の鳥だろう」とシャッターを切り、スマホで動画も撮影した。 日本野鳥の会千葉県支部の山形達哉さんに照会し、山形さんが他の会員らと写真や動画を見た結果、「赤い脚と羽の色、模様などから、ケイマフリではないか」という回答だった。山形さんらによると「冬に銚子沖で観察できたことはあったが珍しく、房総半島南岸での記録は非常に珍しい」という。 同会員らがその後もケイマフリの観察を続けていたが21日、カラスに襲われて死んでしまったという。 三幣所長は「知床半島などに生息するケイマフリが南房総で観察できるとは。異常気象による環境の変化で飛来してきたのかもしれない。温暖化が懸念される」と話していた。