価格高騰する東京の物件 これから始める“不動産投資”を成功に導くには?
東京と地方の物件、いま買うならどっち?
Q3.賃貸ニーズの高い東京の物件がお勧めとよく聞きますが、物件価格が上がり続けて、普通の会社員には手が出しにくくなっているように思えます。いまから始めるなら、東京以外の物件のほうがいいですか? A.東京近郊で良い利回りを得られる物件が減っていることは間違いありません。しかし、神奈川県、埼玉県、千葉県など、「大東京圏」までを含めれば、まだ計算が合う物件を見つけることはできます。また、大阪、名古屋、仙台など、東京以外の都市にも、土地勘があれば進出してもいいでしょう。私も近年は、東京よりも大阪の物件を多く買っています。 東京の物件のメリットは、東京在住の方なら、近いので管理が容易なこと、地元の金融機関で融資を得られることが挙げられます。また、賃貸需要が尽きないこと、どこを買ってもはずれが少ないので、高度で専門的な判断をしなくても良い点は初心者向きとも言えます。 一方で、すでに物件価格が高騰しており高止まりしていることが、最大のデメリットと言えるでしょう。地方物件のメリットは、探せばまだ割安の物件もあり、シミュレーションで黒字を見込める物件が見つかりやすいことです。 ただし、居住地から離れたエリアの物件に共通するデメリットとして、地元の人でなければ賃貸需要の予測が難しいことや、融資を得られる金融機関の開拓が難しいことが挙げられます。地元をよく理解していなければ把握できない人の動きや需要が多く、土地勘のない人には見通しが困難なことが少なくないのです。 私が現在注目しているエリアは大阪です。東京よりも高利回り物件が多く、融資も出やすいからです。ただし、どこでも一等地と言える東京都心と違って、エリアの良し悪しが激しいので、物件の選別が難しいという面があります。
Q4.不動産投資で成功する人・失敗する人には、どのような共通点がありますか? A.成功する人の共通点としては、自営業的な精神を持ち合わせていることが挙げられます。証券投資では投資家の努力がリターンに与える影響は限定的ですが、不動産は投資家の行動と考え方次第で結果が大きく変わります。 人脈を作る、ルールを学習する、金融機関と連携・折衝する、物件や財務情報を管理する――これらがうまくできるか否かが、不動産投資の向き不向きとも言えるでしょう。 また、不動産投資は、大きな金額でやったほうが、安定かつ高収益を得やすい特殊な投資であることも知っていただきたいところです。日本人にありがちな、失敗するリスクばかり考えるより、うまくいく夢を描いて行動したほうがいい。リスクを論じてやらない理由を唱え始めたらキリがない――これは、不動産投資に限らず、人生全般に言えることではないでしょうか。
玉川陽介(個人投資家)