大相撲 大の里の成長見守る 茨城・土浦の大谷さん 「活躍続け横綱に」 二所ノ関部屋を応援
大相撲史上最速7場所目で優勝した大の里の成長を間近で見守り続けてきた女性がいる。二所ノ関部屋(茨城県阿見町)の支援者の一人で、同県土浦市荒川沖東のそば店女将(おかみ)の大谷満子さん(71)。部屋に野菜や食材を毎月差し入れており、店には大の里がそばを食べに訪れたことも。入門1年でスピード優勝した逸材に「活躍を続けて横綱に」と期待を寄せる。 阿見町で部屋開きした2022年から、青果物卸業を営む親類に分けてもらった野菜などの食材を「ちゃんこ鍋の材料に」と毎月2~3回届け、力士たちと交流を続けてきた。部屋の後援会にも所属している。 大の里との出会いは、入門から半年が過ぎた頃。部屋から車で約10分離れたそば店に、他の力士と連れだって訪れた時に声をかけた。カツ丼と1.2キロのそばをぺろりと平らげた姿が印象に残り、その後は後援会の催しなどで顔を合わせるたびに一緒に写真撮影したり、励ましの言葉をかけたりして交流を深めていった。 2場所連続で2桁勝利を挙げ、夏場所での活躍が注目されていた大の里。場所前に開かれた部屋の催しで写真を撮った際、「頑張ってるね」と声をかけると、大の里は「健康な体に産んでくれた親に感謝しています。頑張ります」。謙虚に語る瞳の奥に、夏場所に向けた決意を感じたという。 同県つくば市のホテルで26日に開かれた祝賀会にも駆け付け、「部屋から優勝力士が誕生して良かった。本当にうれしい」と涙を浮かべ、一夜明けた27日には、いつものように段ボール10箱分の野菜類を部屋に届けた。 初めて店を訪れた時はまげを結えなかった若者は夏場所で快進撃を続け、相撲史にその名を刻むまでに成長した。 大谷さんは大の里の今後に期待を寄せ、「まだ若いから、もっともっと活躍できるはず」と確信。記録的な初優勝も通過点の一つで、将来は「二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)のような横綱になってほしい」。これからも大の里をはじめ、部屋の力士たちの成長を見守り続けるつもりだ。
茨城新聞社