「シワやほうれい線はあっても、顔の輪郭が整っていればOK」「これだけは保っておきたい」という“自分の若さ”を決めると本当に必要なものが見えてくる!【松本千登世・AMATA美香】
20、30代の頃はケアの選択肢が今ほどなかった
――ミドル世代に入ると、あらゆるパーツで変化(=老化)を感じ始めます。肌、髪、爪……、体型や体調もそうです。全てを保とうとするのは大変なだけに、何を受け入れ何に抗うか選択することが必要になってきているのかな、と思いまして。そこでお二人が、その取捨選択をどのようにされているかお聞きしたいのですが、まず最初に、お二人は若い頃はどのようなケアの仕方が中心だったのか教えていただけますでしょうか? 松本千登世さん(以下 松本) 私は美容に関して、もともと「あれもしたい、これもしたい」というタイプではないんですけど、今思うと30代の頃のほうが焦っていたと思います。毎日夜中まで働いて食事も不規則で。それを高いパックやクリームなど、化粧品で補おうとしていた感じですね。 美香さん(以下 美香) 分かる! 高いものを使っていれば安心、みたいな心理ってありましたよね。私は20代の頃はトレンドに敏感なアパレル業界にいたのもあって、美容アイテムも新作が出たらすぐ買いに行く、という感じでした。とくに当時はエスティ―ローダーのアドバンストナイトリペアシリーズとか、これさえ買って使っていればワンランク上の肌になれる、みたいな商品が決まっていて。ある意味、ラクでしたよね。 松本 当時はまだ美容クリニックでのケアも、今ほど普及していなかったですしね。 美香 美容クリニックの施術もシミ取りレーザーかビタミンC導入、ピーリングぐらいで。そんなにいろいろないから、あるものだけやっておけば安心という感じだったけど、今は選択肢が多すぎて……。今は商品以前に、オーガニック系とかボタニカルとか、まずはジャンルも幅広くなっていますもんね。 松本 商品の数も劇的に増えているから、もはや何が効くのか即答できない。仕事柄、「効く化粧品を教えて」とよく聞かれるんですけど、簡単には答えられないんですよね。 美香 本当に、美容ジャーナリストの方は大変そう……。