アユ釣りの愛好家カモーン 太田川漁協、魅力向上へルアー解禁 お薦めポイント紹介も
太田川漁協(広島市安佐北区)が、アユ釣りの愛好家を増やす試みに力を入れている。管内の河川の2023年度のアユ漁獲数が2年連続で過去最少となったため。太田川支流にお薦めポイントを整えたり、ルアーの解禁に踏み切ったりして、裾野の拡大を図る。 関連の地図など 漁獲数アップに向けて同漁協が目を付けたのが、広島県安芸太田町などを流れる上流の西宗川だ。上流にダムがなく流量が安定しているためアユの成長が期待でき、川幅などの条件も他地域の人気スポットに近いとみる。 今月中旬、水生昆虫を食べるウグイ約3500匹を初めて放流。アユの餌となる石に付くコケを増やす効果がある。今後、琵琶湖産アユの稚魚を放流する予定。天然のアユは攻撃性が強く、針にかかりやすいという。 若者にファンが多いルアーの使用は管内全域で認め、友釣りの専用区域も廃止する。全国的な流れでもあり、漁協の山中幸男組合長は「愛好家に選ばれる人気スポットづくりが喫緊の課題」と力を込める。 23年度の管内の漁獲数は2万4千匹。組合員からの報告に、「遊漁料」を払う愛好家の釣果の推計を合わせた数字で、調査を始めた1974年度以降で最少だった22年度の4万9千匹からさらに半減した。ピークの91年度は320万6千匹に上ったが、流域の開発や流量の減少、カワウの食害などで年々減少。釣りをする人が減ったことも背景にある。 同漁協の約550人の組合員の平均年齢は70歳を超え、川に入らなくなった人は少なくない。シーズンを通して釣れる「年券」の購入者は23年度、178人で前年度から3割減。3千人を超えた年もあったが、初めて200人を割った。 山中組合長は「昨年の10、11月にはものすごい数のアユがいた。ハードルが高いとみられがちなアユ釣りをもっと多くの人に楽しんでもらいたい」と願う。管内のアユ釣りの解禁は一部の支流を除き、6月1日。
中国新聞社