偽の金の粒と「百万円」札、現金とすり替えた疑い 英国籍の男を逮捕
東京都千代田区のレストランで金の取引を装って現金1300万円を盗んだとして、警視庁は英国籍のジョー・クポト容疑者(40)=住居職業不詳=を窃盗容疑で逮捕し、15日発表した。「何のことか分かりません」と供述しているという。 捜査3課によると、クポト容疑者は昨年10月25日午前11時半~午後1時ごろ、千代田区のレストランで、金の売買の取引名目で訪れた渋谷区の男性(62)から現金1300万円を盗んだ疑いがある。 クポト容疑者は「金の粒」として約1キロの銅の粒を持参。男性が持ってきた紙袋に入った現金1300万円をテーブルの下で数えるふりをしながら、用意していた「百万円」などと書かれたおもちゃの紙幣とすりかえ、男性に渡したという。 男性が粒を鑑定に出している間に現金を持ち去った。防犯カメラ捜査でクポト容疑者が浮上したが、事件の翌日に出国し、同課は昨年12月に逮捕状を取得していた。再び入国したとの情報があり、羽田空港で逮捕した。取引には外国籍とみられる別の男も同席しており、同課が行方を追っている。 昨年8月から今年6月までに金取引を装った窃盗や詐欺事件がほかに5件起きており、被害総額は計約1億5千万円にのぼるという。(遠藤美波)
朝日新聞社