弟子屈産ワイン初醸造 町長も収穫、最高の仕上がり期待
北海道弟子屈町の屈斜路カルデラワイナリー(町屈斜路、指定管理者・テシカガファーム)で9日、弟子屈初となる町内生産の赤ワイン「テシカ」の醸造が始まった。初醸造に使うブドウ「山幸」の収穫には徳永哲雄町長も参加し、弟子屈の新しい地場産品に期待を寄せた。 同ワイナリーは町が整備し、8月にオープン。弟子屈産の山幸を使ったワインの生産は、これまで十勝管内池田町や空知管内三笠市の醸造所に委託していたが、町内生産へ完全移行した。 今年度は、屈斜路のほ場0・75㌶で作付けした山幸1366本から実を収穫。テシカの木樽熟成とスパークリング、町とワイン特区を構成する鶴居村から受託した鶴居産ブドウの赤ワイン、弟子屈と鶴居のコラボワインを、計2000㍑ほど醸造する予定だ。 9日は、初醸造となる木樽熟成のテシカに使う約400㌔を収穫した。糖度は20度超えと強い甘み。徳永町長は、はさみで1房1房摘み取り「素晴らしいブドウ。最高のワインができるだろう」と笑顔を見せた。収穫は16日ごろまで続く。 ワイナリーの醸造室では、従業員たちが除梗機(じょこうき)という機械や手作業で果実と茎を切り離し、実をステンレス製タンクに次々と入れていった。約2週間後に皮や種を取り除き、来年2月ごろに木樽へ移す。 製造責任者の木龍奈津子さんは「山幸のおいしさをそのままワインに詰め込めるよう、ブドウや微生物と心を通わせて、丁寧に作りたい」と話していた。
釧路新聞