石原さとみ主演『ミッシング』が描く報道の闇…タイトルはスターサンズの名プロデューサー・河村光庸の発案
スターサンズと吉田監督は、報道メディアの視聴率至上主義や偏向報道への疑念を描きつつ、その背景にある現実の複雑さにも目を向けている。吉田監督はテレビ局のリサーチを深める中で「プレッシャーや締め切りに追われたりしてミスしてしまうことはある。ミスではなくても、視聴者に違う見方をされて、『捏造』と言われる可能性もある」「最初から、悪いことをしてやろうとして、仕事をしている人はいない。もし、(映画を観ている)わたしたちが同じ環境に置かれたとしたら、同じ選択をしてしまう可能性はないのか?」とも語っている。
なお、タイトルの『ミッシング』は、河村光庸の発案によるもの。当初は『空白』からの流れを組み、漢字2文字で検討していたが、河村の提案で『ミッシング』に決定。タイトルが示す通り、映画は失踪事件を通じて、現代社会における報道の在り方や、メディアと社会の関係を深く掘り下げている。(石川友里恵)