キヨシ監督の“丸刈り指導”はパワハラ? それとも許される?
ひるがえって、一般の企業であればどうでしょう? 頭髪や服装の規制は、デスクワークをする会社員には許容される? そこで「社員は整髪料でのオールバックにしなくてはならない。ダークスーツに身を包むべし」というルールがあると世の中で言われている、とある証券会社に問い合わせてみました。ドレスコードはあるが頭髪やスーツについては決まりはないとのことでした。「お客様に不快感を与えないように」としているものの、一般で言われているような髪型規制はないようです。 笹山尚人弁護士はこう説明します。 「髪型や服装がどうあるべきかについては、労働契約において合意すべき事項です。通常は、労務の提供の質、業務の必要性、顧客との関係などから、就業規則や個別の労働契約において定められていると考えられます。この内容があり、かつ、それが著しく不合理なものではない限り、それは労働者を拘束すると考えるべきでしょう」。 なるほど、労働契約によって髪型や服装の自由は拘束される。それに違反した場合は、上司の指導が入る。石田投手の場合は、頭髪の決まりがなかったし、 中畑監督の指導も「精神論として聞き流しておけばいい範疇」であると。「その指導において人格侮蔑的言動が行われるということでもない限り、それがパワハラになるということもないと思われます」(笹山弁護士)。 “丸刈り指導”も、人前で大声で罵倒したり、丸刈りにしなったからといって人格を無視したりすると、パワハラになるので要注意。 (ライター・小林拓矢)