王手をかけたドジャースはブルペンデー、ヤンキースはシリーズ初出場で四球の多い若手投手が先発。ワールドシリーズ第4戦
ヤンキースは第1戦で快投したゲリット・コールを中3日でスクランブル登板させることも不可能ではないが、エースのケガのリスクを回避するため、ルーキー右腕のルイス・ギルを先発投手に指名する模様。
ギルはレギュラーシーズンでは29試合に先発登板し、15勝7敗、防御率3.50と、初めてのフルシーズンで堂々たる成績を収めたのだが、規定投球回に達していないにも関わらず、今季MLB最多の77与四球と、走者の重みがレギュラーシーズンの何倍にもなるポストシーズン向きでない性質を持っている。
与四球率で見ても、規定に達した投手で今季ワーストだったクリス・バシットの3.68に対し、ギルは4.57とかなり高い。しかも、今回の相手は打席での規律がすこぶる高いドジャース打線である。
『MLB.com』もこのマッチアップの構図に注目しており、現地29日未明に掲載した記事の中で、ギルは「四球を切望し、ボール球に手を出さないドジャース打線(彼らの四球率9.6%はメジャー3位で、チェース率25.7%はメジャーで2番目の低さ)と対戦するのである」と伝えている。
ちなみに打者から見たチェース率はボール球をスイングする割合であり、ドジャース打線のポストシーズンにおけるチェース率も、レギュラーシーズンと全く同じ25.7%となっている。そして、四球量産の代償が如何に高くつくかを、チャンピオンシップシリーズでドジャースと対戦したメッツが実証したのは記憶に新しいところだ。
このワールドシリーズ開幕前は、ドジャースの先発ローテーションを不安視する声が多く聞かれたが、蓋を開けてみれば、先発投手陣が高い安定感を発揮したのは、ドジャースの方だった。そして今、ヤンキースはワールドシリーズ初出場で四球の多い若手投手に、生き残りをかけた試合の先発マウンドを託そうとしている。
J SPORTS 編集部